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昨日の俺が頑張らなかった分は明日の俺が頑張る。これを先回しの法則と人は呼ぶ。

こんにちは元気ですか?僕は元気です

「ただいまーっす」


「おかえりなさい」

 先輩は珍しく、デスクに座ってコーヒーを飲み休憩していた。


「なんか、デスクで休憩してる先輩って新鮮です」


「そう?それじゃあ、最近は少し肩肘張りすぎていたかもね。偶には休んだ方がいい。あなたが言ったのじゃない」


「あぁー、そうでしたね」

 未だにいじられるのかぁ。ホント、あれはらしくないことしたわ。


「あ、そういえば人界で先輩に似た先輩ができました」


「そう、でもそれは私ではないわ」


「そっすね」

 やっぱ似てるなぁ。


 そんなことを思いながら俺もデスクに座る。


「どうだった?」


「先輩に似た先輩のことですか?」


「違うわ、視察の方よ。というか先輩先輩ってややこしいわね」


「あはは、そうですね。視察の方の感想なら。そうですね、仕事に対するモチベーションが生まれました」


「そう、それは良かったわ。頑張りましょう、と言いたいところだけど。眠そうねコーヒーでもと思ったけど辞めとくわ。今日は帰って寝なさい」


「はーい」

 まだ仕事残ってるけど。

 明日の俺に任せよう。


 何の為に座ったのかよく分からない感じになってしまったが、俺は言われた通り荷物をまとめて帰ることにした。




 さて、どうも明日の俺でーす。

 いきなりですが、恨みます。昨日の俺。

 面倒くさい仕事残しやがって。


 え?モチベーションが上がったんじゃないかって?朝起きたら下がってた。

 パパッと朝の準備をして職場に向かう。

 一時期は朝のルーティンとか考えていたが、職場で徹夜することもあるし朝起きたらすぐに職場に行った方が良いと気付いてやめた。


「おはようございまーす」


 さて、おかしい。

 誰も居ない。


 今日は昨日残した仕事をやろうと思って確かに早く起きて早く家を出た。

 だから誰もいないだけだったら珍しいが偶々で説明が付く。


 でも電気がついてるし、鍵が開いてんのはおかしいだろ。


 と、この辺りで違和感に気づく。

 なんというか頭がぼんやりしてる。

 てか、パパッと朝の準備したつもりだったけど。パパッとってどんな感じだったっけ?

 俺は一度目を閉じてガバッと起き上がった。


 そう、ガバッと起き上がった。



 夢オチなんてサイテー!!


 おいおい、起きてなかったじゃん。


 と、言うことで。

 改めてまして、今日の俺です。

 早速ですが明日の俺、先に謝罪しときます。

 仕事頑張って。


 昨日の分はやっとく。でも今日の分回ってくるかも。

 だから、頑張って。以上。


 今度はちゃんと準備をして家を出る。


 そして少し急ぎ目で職場に向かった。


「おはざいまーす」


「おはよう」


「あ、ちわっす。神様」


「うん、いつもご苦労ね」

 いやぁ、神様に声をかけられるなんて。

 今日はなんとも、運が悪い。


 まぁ、十中八九仕事ですよねぇ。


「じゃあ、俺まだ昨日の仕事残ってるんで」

 忙しいアピールをしつつそそくさと退散しようとしたがまさしく神速の動きで行く方向を遮られる。

 は、速い。

 そして、隙がない。

 この瞬間俺はこの人に一生勝てないのだろうと悟った。

 人って言うか神なんだけど。


「何ですか?」


「君のその露骨に嫌な雰囲気だすの嫌いじゃないよ。嫌だけど」


「すいません、公務員だしそんな簡単にクビにはされないだろって調子乗ってました」


「素直だねぇ。そして、人付き合いが上手いのに不器用だ。おっと、見透かすような発言はやめておけと注意されてるんだった」

 そう言って人懐っこい笑みを浮かべると神は。真剣な表情になった。


「わかってると思うけど仕事の話だ」

 今度は諦めて素直に頷く。


「うん。君が今視察に行ってる。遊園地があるだろう?そこでジェットコースターに乗ってもらいたいんだよ。一人で遊園地に来た男女がジェットコースターで相席することになってたんだけどね。ちょっと人数がズレててね。その男女の前に乗って貰いたいんだよ」


「前だったらどのタイミングでも大丈夫ですか?」


「うーん、まぁ。1時間以内かな?」


「分かりました、データとかは、もう送られてますね」


「うん」


 ジェットコースターは、一番人気のヤツか。

 水上ジェットコースター。

 まぁ?別に怖くないし?全然?

 例の男女が乗るのは6時頃。

 バイトが終わるのは5時半とかか?

 なら問題無さそうだな。


「ん?あの、ここ。二人で乗ることってなってるんですけど」


「うん、僕が行っても良いんだけどね。ほら、身長が足りないから」

 言ったか忘れたが神の見た目は子供そのものである。

 ショタって奴だ。

 なのでジェットコースターとかには乗れない。

 いや、そもそもそんな暇じゃ多分ないんだけど。


「じゃあ、誰か他の人……」


「それが今日はみんな忙しいんだよね」


「つまり?」


「つまり?」


「人界の方で誰かと一緒に乗れと?」


「いえ〜す」


 これは、何とも高難易度のイベントが来たもんだ。






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