仕事とか学校でしか会ってない人と土日に遭遇すると気まずい
だいぶ時間が空いてしまった
すまんぬ
割と難易度高めの避けれないストーリーボスみたいだなぁ。
俺は待ち合わせ場所でスマホを眺めてる先輩を影から覗きながら思った。
おしゃれだ。まさか、あんなお洒落な感じで来てくれるとは思わなかった。
居酒屋に最終的に入るんだよね?俺普通の服着てきたんだけど。
前に飲みに行った時は仕事帰りだったからなぁ。
私服姿というのは意外と新鮮だ。
綺麗系の服がとても似合っている。
一応社会人の基本として5分前行動はしているのだが、というか5分前行動の5分前行動をしているのだが。あんまり待たせても悪いだろう。
ここは、急いで来た感じを装って。
「あ、ナギくん」
「あ、」
見つかってしまった。
「こんにちは、先輩」
「ここは、職場じゃないのよ?」
「いやまぁ、そうなんですけど。先輩は先輩って感じがするんですよね」
「そう」
会話が止まり、なんとも言えない気まずさが漂う。
いつも何話してたっけ。考えてみたら仕事以外の話をすることが少ないから、何話せば良いか分からない。
先輩が少し気まずそうにもじもじしてるのはちょっと可愛いかった。頭をいじったり落ち着かない。
「えっと〜。移動します?」
「……はぁ、そうね」
えぇ……。何故呆れられた?
少し怒った様子でつかつかと前を歩き出す先輩。
そういえば何か言わなきゃ行けないことを忘れてた気がする。俺は少し立ち止まって考えた。
「どうしたのナギくん? 別に怒ってないわよ?」
あ、そうだ。
「先輩」
「何?」
「その服、似合ってますね。とてもかっこいいし、可愛いと思います」
「っ! そ、そう。……ありがと」
照れながらも感謝する先輩。
やっぱり、可愛い。
「で、どこ行く予定何ですか?」
「別に、特に決めてないのだけど。雑貨屋でも寄ってみる?退屈かしら」
「いや、良いですよ。行きましょ」
◇
「あ、これとかどう?」
「良いですね。可愛いと思います。先輩って意外とこういうの好きなんですね」
「そ、そうよ。悪かったわね、イメージ違いで」
「いやいや、何でそんな否定的なんですか。良いと思います」
「そう」
なんだか楽しそうだ。意外と買い物が好きなのだろうか。
先輩も女の子なんだなぁと思った。
◇
「さぁ、飲みに行きましょ」
「そうですね」
時間もいい感じだろう。
俺と先輩は前と同じ居酒屋に向かった。
「何名様ですか?」
「2名です」
先輩が二本指を立てて答える。
先輩がピースしてる!
2名のときって自然にピースできるよね。
「予約してますか?」
「あ、はい。ナギで予約してます」
「えー、はい。席案内しますね」
導かれるままに席へ向かう。案内されたのは個室っぽい座敷みたくなっているが足の部分が空いてる席だった。そこに先輩と向き合って座る。
まだ早い時間だから割と空いてるなぁ。
「何頼みます? せ……」
メニューをとって前を向くと先輩が上着を脱いでいた。
なんていうか、動作が、エ、いやなんでもない。
意外と薄着だったんだ。
「ん? どうかした?」
「いや、何頼みます? 先輩」
「そうね……。まずは生でしょ?」
「あはは、ビール好きですね」
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