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光の伝説
遥か昔、この大地には二つの民が存在した。
一つは、光より生まれし光の民。一つは、闇より生まれし忌々しい闇の民。
卑劣な闇の民は幾度と無く光の民を襲い、その度に多くの犠牲を生み出した。
そんな時、神が我らに最強の剣を授けられた。その剣は選ばれた者にしか抜けない伝説の剣であった。世界中の剛腕が集い試みるも、一向に抜ける気配がしない。
その時「神の声に呼ばれた」と言う青年が現れる。期待を募らす民衆の面前で、彼はいとも簡単に剣を抜いてみせたのだ。
光を宿すその剣を一振すれば、大地に鋭い閃光が走る。闇の民は抗うすべなく、瞬く間に消え去った。
こうしてこの世に平和が訪れたのである。
この青年、名をテナレディス。勇者と崇められた彼は、神の使徒としてこの地に大きな王国を築いた。
――光の伝説より