HERO
誰でも誰かのヒーローになれるなら、俺はあいつのヒーローになりたい。
あいつは俺にとってのヒーローだ。
何も言わずいつも隣で俺の背中を守りながら戦うような奴だ。
籠の中の鳥になってしまっていたとき、一緒になって籠の中で笑い、「ここから出たい」と思うようになったころ、さり気なく籠をぶっ壊して「いこうぜ」なんてけろっというような奴だ。
でも俺の盾になっていたぶん、気づいたらあいつは結構傷ついていた。
それでも笑おうとする。
だから今度は俺が今度はあいつのヒーローになりたい。
本当は滅茶苦茶優しくて弱いくせに。
まるで弁慶のように自分のことなんか顧みず。
ばかだよなあ。
今度は俺があいつの背中を守りながら戦うよ。
傷が癒えるまで。
癒えたらまた笑いながら歩いて行こう。
2人でいれば、最強だろ、俺ら。