0話 ぷろろーぐ。 心頭忘却騎士とへっぽこ冒険家の邂逅
どうも。初めましての方は初めまして。
そうでない方はお久しぶりです。
色々な物を放り出してましたが、
また頑張っていきたいと思っています。
走る。ただひたすらに、前へ前へと駆け抜ける。後ろを振り向いてはいけない、その時間が惜しい。
「はぁっはぁっはぁっ!」
息が荒くなる。グラグラになる足を必死に奮い立たせて、陽の落ちかけた草原を走る。どんなに走っても逃げきれそうな場所がなく、化け物の唸り声がじわじわと近くなってくる。
「あっ」
カツっと見落としていた小さな石に躓いて地面が目の前に。気付いた時には顔を地に付け、大転倒。振り向けば、口を大きく開き僕を喰らわんとする異形の獣。
死んだ––––。そう諦めた瞬間、獣の顔が、体躯が真っ二つに斬り開かれた。開いた口の丁度口角部分から真っ二つだ。上半分は勢いのまま僕の真上を通過し、下半分は目の前にどちゃっと鈍い音を立てて落下した。
「あ、えっと……」
何処から現れたやら、黒い岩の様にゴツゴツとした鎧きたフルフェイスの騎士様が、抜き身の大剣に付いた血を払い、僕に手を差し伸べてくれた。
「あぁ、ありがとうございます!!騎士様!貴方は命の恩人です!!」
「……」
騎士様が無反応なのが気になるが、それよりも生き残れた事にホッとして、涙がボロボロと溢れ出す。
「うわっ。すいません、すいません。ちょっとなんだ、とまれ、とまれよぉ……」
「……好きなだけ泣くといい。死を感じるほどの危険な状態だったんだろう?ホッとして涙が出てしまうなら、それは仕方ない事……だと思う。今は私が守るから、落ち着くまで」
代わりに––––と騎士様は続け、
「此処が何処なのか、そして、私が何者なのか、教えてくれないか?」
「はい?」
と困惑した様に呟くのであった。
短いですが、プロローグなので!