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プロポーズ・オブ・レジェンド  作者: いくら
一章:転身
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Ep5:昔話

過去編…?

これは、少し昔の話。


「勇気爆発!セイントレッド!」


みなさんご存知赤石である。

この時はまだ、ムカデの革ジャンなんて代物は身につけていなかった。


「水の貴公子、セイントブルー!」


キザなブルー。

金色の髪と青色の瞳が輝いている。


「太陽の輝き…あっ、セイントイエロー!」


自分の台詞を忘れていた、太ましいイエロー。

カッターシャツが汗ばんでいる。


「…の…、セイ…グリーン」


小声のグリーン。

地味な服を着ているが、髪は緑色で、トリプルテールという奇抜な髪型をしている。


「愛の運び手♪セイントピンク♪」


キャピキャピ系のピンク。

ギャルみたいな服と、ハートのピアスをしている。


国を密かに守るヒーロー、『セインティア』のメンバーたちである。


「…なぁ、ちょっといいか?」


「どうしたんだ?レッド」


「俺はいい。ブルーもいい。だが…イエロー!グリーン!お前らしっかりしろよ!」


「えっ……」


赤石の叱咤に、イエローは驚いていた。


「えっ…じゃねーよ!イエローは台詞をちゃんと覚えろ!グリーン声ちっさすぎ!」


グリーンは、体育座りになってしゅんとしていた。


「イエローはどうでもいいが……」


金色に輝く髪をかき上げながら、ブルーは赤石の方に向かう。


「ちょっとブルー酷すぎない……!?」


「レッド!グリーンのようなか弱い乙女を叱るのは許さんぞ!」


「さっすがブルー様!」


すかさずピンクが合いの手ならぬ合いの声を上げる。


「……はぁ、もういいや」


「…ういいって?」


赤石がグリーンの近く座り込んでいるのを見て、グリーンが赤石に呼びかけた。


「そうだ、もういいんだ」


「よく聞き取れたなレッド……」


そもそもだ、そう言って赤石は声を荒げる。


「俺たちは個性が強すぎたんだ……!みんなで一つのことをすること、それ自体が間違ってたんだ」


「……いいのか?」


落胆する赤石を見て、ブルーが疑問をていする。


「いいのかって……なにがだ?ブルー」


「はぁ…お前、覚えてないのか」


ブルーは赤石に呆れながら言った。


「あぁ、もうそんな日でしたの?」


ピンクもブルーを見て『あのこと』を思い出した。


「……あぁ!明日って!」


二人のやり取りをみて、ようやく赤石も思い出した。


「新入りが入団する……って日だ」


ああ、といったような表情で、イエローとグリーンも納得する。


「男の子かな、女の子かな」


「うるさいわよおデブさん」


「ピ、ピンク…」


わくわくしているイエローを蔑むかのように、ピンクは言葉を放った。


「ちなみに、色はなんなんだ?」


思いついたように、赤石はブルーに質問した。


「……黒だ」


「黒……?なんでですの?」


予想外の返答に、ピンクが食いついた。


「『自分みたいなのが前線に出て活躍…なんてとても出来ない。僕は影でいい』だそうだ」


預かった紙を読み上げながら、ブルーの表情は暗くなっていった。


「へぇー……ま、ビシバシ鍛えてやろうぜ!」



「ブラックです!よろしくお願いします!」


黒色


「なんか、昔の俺に似てる気が……」


「…ね」


「やっぱりそうだろ?」


「聞き取れるのはレッドさんだけなのですわね…」



「ギャーーーーース!!!」


ドカーーン


「いやーブラック君凄いね!」


「ホントですわ!才能あるんじゃないですの!?」


「すいません手羽先と枝豆もう一つ!」


皆がブラックを褒めちぎる中、イエローだけは威勢よく食べ物を頼んでいた。


「…よく入るね、イエロー」


ピンクはすでにイエローに呆れ返っていた。


「僕はホント何もしてないですって……」


「まあまあ、そうご謙遜なさらずに」


遠慮がちなブラックの肩を、赤石が叩く。


「レッドさん……!」


「何事も、自信から始まるんだぞ!」


「……はい!分かりました!」


目に輝きを浮かべるブラックを見て、グリーンがポツリと呟く。


「…ダー」


「ありがとよ」


赤石はその言葉を聞いて照れ臭そうな顔をしていたが、他の四人は沈黙していた。


「……なんだって?」


「流石リーダー……だってさ」


言った本人、グリーンとそれを伝えた人、赤石は少し恥ずかしがっている。



「はっ…」


赤石は、あの日の夢から目が覚めた。

少し古びたアパートの一室で、赤石は手を上にかざす。


「嫌な夢だ……」


「あの時から、何かが狂っちまったんだ」


上に伸ばした手を、古びた空気を掴もうとするように赤石は握りしめる。


この時、レッドは花畑ラーメンで働いていた。黒服の女性『ブラック』に出会うのは、まだ後の話。



character of this story


名前:白羽 百瀬(momose・shiraha)

性別:♀

性格:人懐っこい

外見:茶髪ロング。グレーのパジャマ。

能力:secret

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