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速達配達人 ポストアタッカー

速達配達人 ポストアタッカー 雨の配送

作者: LLX
掲載日:2019/09/12

雨が降り注ぐ空に、ため息をついて局分け分の配送に走る。


ロンド郵便局は、1市3町が管轄だ。

一番大きいロンドが周辺3町分をとりまとめ、隣市デリー本局と相互配送する。


町と町を繋ぐ荒野の一応国道は、もちろん舗装などあるわけも無い。

ただそこには地雷が残っていないので安全な道という保証だけだ。


昼間気温の高い中、雨具を使うと蒸すし、水漏れ激しいしで最高に気分が悪い。

バシャンと泥水跳ねて、なぜかしゃべる愛馬のビッグベンがスピードを落とし顔を上げた。


「ブフッ!にんじん!にんじん!にんじん!」


びしょ濡れになりながら、呪詛のようにつぶやく。


「あとはミルドの局に行ったら終わりだ、我慢しろ。」


「お願いします、御主人様と言え!」


「黙って走れ!御主人様!くそったれ!」


ベンが、ブフーッと鼻息はいてまた走り始める。


「俺だって、気持ち悪いんだ、くっそーーー!!

雨具もっといいの買え!もうびしょ濡れだ、クソ郵便局!」


舌噛みそうになりながら、空に叫ぶ。

やっとミルドの町が遠くに見えた時、信じられない。

こんな天気の悪い日にオッサン2人が追いかけてきた。



「マジか!バカじゃね?!」


パンパンッ!


何考えてるのか撃ってくる。

頭をひょいと左にやると、右耳の横を弾が空を切って走った。


「止まれ!止まらんと撃つぞ!」


止まるか馬鹿野郎、俺は早く帰りたいんだ。


「ベン、やるぞ」

「おお!」


馬の足音が左右に分かれ、挟み撃ちとばかりにスピードを上げてくる。

手綱を引いて、一気にベンのスピードを落とした。


「うおっ!」

「なにっ?!」


男達の間をすり抜け、後ろに抜ける。

背の刀を抜き、電撃のレベルを最高に上げて、ベンを右の馬に寄せて男を峰打ちする。


「ギャッ!」


男が悲鳴を上げ、全身を緊張させて馬から転げ落ちた。

ずぶ濡れの中、電撃受けたらどうなるかなんて知らない。

馬も多少刺激が来たのか、男を振り落とすと驚いて走り去ってしまった。



とっさに焦って左の男が銃を撃つ。

サトミが右に身体を倒し、弾を避けて男の目の前に切っ先を向ける。


「いっ!」


「首を落とされたいか、俺は今最高に機嫌が悪い!」


器用に並んで走りながら、喉に刃先が触れそうで触れない。

男は身動き取れずに思わず銃を落とし、両手を挙げて馬を止めた。

刀を背にもどし、ベンのスピードを上げ男達を置いて先を急ぐ。

男達はただ雨に濡れながら、呆然とサトミを見送った。





ミルド郵便局に着いて、荷物を渡し、ロンドへの荷物を受け取る。

いつも小さい袋なのに、こう言う天気の悪い時ほど荷物が多いという。


「なんだこれ、くそデカい!デリーに明日指定か。」


「ごめんねー、おじいちゃんがデリーの孫にお誕生日のお祝いなんだって。」


「ちぇっ、それじゃ仕方ねえ。孫かー、爺さん大変だなー。」


まったくついてない、でも孫なら仕方ない。

料金高いのによくやる。


冷たい缶コーヒーおごりで貰って、ホッと一息ついた。

刀出したので、雨具ズレてあいつらのせいで背中もズボンまでびっちょりだ。

もう、雨具着ててもあまり意味が無い。

頭をタオルでふいて、どんよりした空見上げてため息が出る。


ベンの機嫌取りに、ニンジンやったらひどく不機嫌そうにかじった。


「殺さなかったな」


「まあな、オッサン達も金に困ってんだろうさ」


ベンが馬のくせに二ヒヒと笑う。

雨が少し小ぶりになった。


「ラッキー、このまま上がればいいな。よし、帰ろうぜ、ベン。

どっかの爺さんの孫へのプレゼント、濡らさないようにしないとな。」


「帰ったら、洗う。ケツが悪い」


「了解、ベン。ちゃんと洗ってやるよ、もうひと頑張りな。」


雨具を直して、荷物が濡れないか再度確認してミルドを出る。

次第に明るくなって行く空の下、あの男達の姿はもう無かった。

はじめましての方、はじめまして。

少年物、アクション書きのLLXと申します。

ポストアタッカー(旧作)は、10年ほど前に書いた物ですが、6月にこちらで連載した物です。


今執筆中の、近々新作を連載する予定です。

旧作から一新して、設定も少し変化がありますが新規で書き起こします。

その前に、思い出して頂こうかと、知らない方に知って頂こうかと短編を用意しました。

どうぞよろしく、よろしくお願いします。


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