魔人と魔装と寿命
あれから数時間が経過したと思う。俺は起き上がると膨大な魔力を察知した。『緊急事態発生、緊急事態発生』と警告音声が鳴っていた。そこで特殊な魔法サーチを使ってみたら、魔人が3体とケロべロスが2匹いた。この学園だけで対処するのは絶対に無理だと俺は思った。王国英雄部隊シュリマが向かっているとは思うが少なくとも30分はかかる。いくらランキング上位が特殊だからといって、魔人3体は無理だ。俺はどうすればいいか迷っていたら、アミナがやってきた。
「アウレマキュレイ、学園はお前へに正式的に依頼することにした。協力してくれないか?」
「先生。俺は国一最弱と言われている男です。魔人なんて相手になりません」
「相手にならないとは、逆の意味であろう。ふざけている暇があるなら、手伝え」
「わかりました。その代わり修理代と給料は出ますよね?」
「お前は少し自重しながらということはできないのか。まあいい暴れてこいアウレ」
この国は腐っている。その時から俺はこの国を守るのをやめて、最弱として生きていこうと決めていた。何をしても責められない最弱は気が楽だ。何もしないで馬鹿にされるだけでいい。今はこんなこと思っても意味ないか。学園を救うこれが俺のミッションだ。
「魔装修羅」
「魔装アウラ」
「君は一体何者なの?君は劣等生で最弱の男の子じゃないの?」
「説明はあとだ。とりあえず怪我をした学生を避難させろ。エミーナ」
久しぶりに魔人相手で俺は少し興奮してきた。当時は魔人キラーと呼ばれていたほど、魔人を狩りつくしていた。そんな俺がまたこの姿でこの場に立てるなんていい機会だったのかもしれないと思った。
「やあ!魔人久しぶりだね」
「お前は誰だ?」
「5年前魔人虐殺を起こした人間っていえば通じるかな?」
「き、貴様がアウレマキュレイ!こんな餓鬼に負けるなど雑魚共が」
「悪いな。雑談してる暇ないからとりあえず死んでくれ」
俺は魔人と会話するのは好きだが、今はシュリマ部隊がつく前に殲滅させるのが目標だから殺すことにした。そして、俺は阿修羅と呼ばれる。悪霊魔法で魔人3体をその場から消し去った。それにしても、年々魔人が弱くなっているのはなぜだろう。この疑問はいずれ解けてほしいと思った。
「魔人はどこにいったの?」
「あ、エミーナお疲れ」
「お疲れじゃなくて!!君は何をしたの?」
「その話は・・・・・あと・・・・」
その場で意識が飛んでしまった。これが魔人キラーと呼ばれた俺の弱点だった。魔装と呼ばれるこの装備は魔王から俺が受け継いだものだった。しかし、これを付けて戦うと寿命が減り、意識を失うという諸刃の剣のようなものだ。今回の戦いで俺の寿命はまた100年減ったのかもしれない。そうこうしてるとエミーナの声が聞こえた。
「起きて。起きてよ。劣等生最弱馬鹿葛」
「クズはひどいだろ。ランキング一位の姫様」
「早く説明してよ。君が何者なのか」
「学園長先生がすべて話してくれなかったか?」
「アミナ先生は用事があるからいって、どこかへいったわ」
あのババア。説明する前に逃げられたら信用されないだろうが、もうこの学園のために動くことは絶対にしないからなと決意した。