騙してる側は騙されることに無防備だったり
他の作者様と交流を深めたいとか思ってなかったですし、そもそも仕事がアホほど忙しくて自分のためだけにこれを書き始めました。
それでも読んでくださったり、ブックマークしてくれるってとても嬉しいものですね。
ありがとうございます。
「まず、お二方にご理解頂きたいのは我々の世界では若者が異世界に召喚されるケースは決して多くはありませんし、我々の世界ではまず剣を持って戦ったり、魔術を使ったりすることは一切ありません」
二人は驚いているが構わず続ける。
「それでも、我々の世界においてはこのように他の世界に召喚され戦いの場に放り込まれた前例がいくつかあり、それが記録として残っています」
「……なるほど、つまりはそれでも戦い且つ帰還された方がいらっしゃる、というわけですね」
カレーラスよ、そんなドヤ顔で言うほどのことじゃないぞ。
「宰相様、ご理解が早くて助かります。で、なぜ彼らが戦力足り得たのか、と言うことをお話しするとレベルがリセットされたからです」
「……どういうことですかな?」
「ステータスとスキルはそのままに、レベルだけ1になるんですよ。あと、もともと我々の世界の人間はスキルを得やすいらしいです」
メルガルドも少し身を乗り出してきた。
「スキルは、普通一つ。運が良くて二つだぞ……。君たちのステータスとスキルを教えて貰えないか」
「その方が早いですね」
僕らは打ち合わせ通り、隠すべきスキルを隠して他のパラメータは開示した。
「……全員が体術と物理耐性持ちで、剣術や多重魔術までとは……」
「ステータスの各パラメータも、年齢にしては高いほうだ。これでレベルが1とは……」
多少時間を掛ければ、と言う考えになってくれただろうか。
「無論、このままでは到底魔王の側近とやらに敵いますまい。ですから鍛える時間をいただければ、と思います」
「我々もそこまで無謀なことは考えておらんよ。むしろ、その若さでこの強さ。それが三人も同時にここに来てくれたことは、非常にありがたい」
おや、もともと一人だけのつもりだったか?
だとしたら手際が悪いのも理解できるな。
ここまで来て、全く今更だがとても大切なことを忘れていた。
僕たち、自己紹介していない。
思わず声に出して笑ってしまった。
「む、いささか無礼では無いか」
さすがに普段無口な源太も咎める。
「相手は、国王陛下だぞ。失礼にもほどが無いか?」
気を張っていたつもりで、こんな当たり前のことが頭から抜けていたんだから笑いたくもなるよ。
「失礼しました。自分では落ち着いていたつもりでしたが、やはりこの状況に混乱していたと気付かされてそんな自分を滑稽だと思いまして」
「ん?」
「名乗るのを忘れておりました」
改めて姿勢を正す。
「大変失礼しました。私の名はソラと申します」
「何かと思ったら、それは聞かなかったこちらもうっかりしてたということじゃないか」
なんかスキル確認してから、国王陛下様もご機嫌みたいだ。
柑奈と源太も今更気づいたのか、いささか慌てている。
特に源太は僕を咎めただけに余計に焦っているように見える。
「レミファです」
柑奈さんはレミファさんね。
「シドです」
源太がシド……。
よく咄嗟に合わせてきたな。
レミファソラシド。
なるほどね。