二人に方針を伝えるよう
毎日更新してる方、ただただ尊敬です。
自分の中である程度方針が固まったところで、柑奈と源太とも意識を共有するためにごく簡単に説明した。
メルガルドは国王を騙る男爵であること。
彼らは「鑑定」持ちじゃないこと。
召喚慣れしてないこと。
勿論、確定じゃなく「かなりの高確率で」だと伝えはしたが。
「で、僕たちが鑑定持ちだとバレないようにしなきゃいけないのはわかるな?」
二人とも頷く。
「魔法らしきものが使える世界で、本名を明かすのも危険かもな」
「……考えてなかったけど、確かにそうかも」
源太は頷くだけ。
「情報はある程度明かさないと、こちらが警戒してることを悟られる。鑑定と錬金術と精神耐性は隠そうか」
柑奈が首を傾げる。
くそ、可愛いじゃんか。
「物理耐性は隠さなくていいの?」
「戦闘系のスキルがあるから、あった方が自然だろ。精神耐性を隠したいのは、洗脳的な手段を相手がとってくる可能性も考えてだよ」
ここまで何も言わなかった源太が口を開く。
「ステータスはどうするんだ?」
「レベル含めて、全開示で。低めにも高めにも偽る必要は無いよ」
「わかった」
高く偽って強敵にぶつけられても困る。
かと言って低く偽って不要だと判断されても困る。
本当はこの世界の何人かを鑑定したあとに適当なステータスをでっち上げるのが安全なんだろうけど。
それが出来ない以上、下手な嘘は身を滅ぼすだけだ。
嘘は少なければ少ないほどいいんだ。
二人とも少し落ち着いてきたようにみえる。
目先の方針が決まってきたからかな。
さて。
目先の方針はそれでいいとして、最終目標は、3人が無事に帰還すること。
それができるかどうかもわからない。
できたとしても、簡単に帰る方法が見つかるとも思えない。
だからまずはここで死なないだけの力を得ないとね。
その意味でもLv1だよ、という必要があるのだろうね。
仮説の上での仮説にはなってしまうが、おそらくステータスも今までの生活が影響した値になっているのだろう。
柑奈はスピードでかき回す柔道をするし、源太はデカくてパワーがあるくせに器用だ。
190センチ100キロでバク転できるんだぜ。
ってことは、今までの生活分がステータスに上積みされていると考えられないかな。
Lv1にしては、ステータスが高めなんじゃないかと期待できる気がする。
今は弱いけどレベルが上がった時にはかなりの戦力になりますよ、というのは僕らにそれなりの猶予を与えてくれる材料になり得るな。
奴らのステータスを鑑定して、答え合わせだな。
コンコン。
ノックの音だ。
どうやら食事の準備も整ったようだな。