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見えないものを見るために

僕は、各講師がローテーションで講義すること、各クラスとも講義内容は一緒だという事、生徒の情報は各講師で共有する事などを説明した。


本来のクラスは一つの学年で3つらしい。

ただ、魔術を教えるには少々多過ぎる。

魔術だけ5つに分けて講義するのだが、飛び級の二人はまとめるとして、基本的には成績や出身国に関わらずバラバラにしてもらった。


魔術に対する温度差の違いが各国にはある。

それを感じてもらいたいのがまず一つ。

あとは、できない子をできる子が教えてあげる雰囲気も期待していた。



最初の魔術の講義が始まった。

約束通り、魔法陣の解説だ。


「まず、魔法陣がどんな物として生まれ、どう使われてきたのか説明しよう」


まずは、戦争捕虜を魔術砲台にするため。

そして、子供のおもちゃになり、美術品となった経緯を説明した。


「つまり、美しさを追求するために結果的に魔力のロスが大きくなったものが、後世に伝わった魔法陣だ。僕が欠陥品と言うのはそこの部分だな」


次にいよいよ魔法陣の各部分の解説だ。


「見てわかると思うが、魔法陣は4層に分かれている。内側から第1層、第2層、第3層、第4層と呼ぶ。第1層と第3層は体の中の魔力の流れを書いている。この通りの道筋で魔力を流しなさいという地図だな。第1層は体の中心部、胸の辺りだな。第3層は体の外縁部だ。つまり、手、足、頭だな」


ここまで言って顔を上げる。

皆、魔法陣を見ながら唸っている。


「そうだな。魔力がどう流れているかなんて、見えないよな。実はこれこそが魔術の習得のネックとなる部分なんだ。魔力の流れが視認できたらわかりやすいよな。そこで、今から魔力を見えるようにする。この中でファイヤーボールの魔術を魔法陣で覚えた人はいるかい?」


数人が手を挙げた。

一番近くの男子生徒に前に来るように促した。


「君にある魔術を掛けるが、いつでも戻せるし、身体に害は無いから安心してくれ」


「はい」


心なしか嬉しそうな顔をしているが、君に魔術を掛けるのだぞ。


僕は彼に透明化の魔術を掛け、彼の魔力に色をつける作業をした。

今回は赤だ。


「おお!」

「なんか見える!」


彼の胸のあたりに赤い塊が見える。

循環して居ないので、その分濃く魔力の塊が見える。


「今、赤い塊が見えてない人はいるかい?」


全員見えているようだ。


「これが魔力だ。今、彼の体に透明化の魔術を掛けた。その後で彼の魔力を赤く色付けした。こうすれば見ることが出来るわけだ」


おそらく他の教室でも、同じことをしているはずだ。

他人の魔力に干渉するのは、直接触れながらならそれほど難しいことでは無い。

他人の魔力で魔術を展開するならともかく、単に魔力に色付けするくらいなら他の四人も問題なく出来るのだ。


「いいかい?魔力は普通見えないものだ。だが、魔術師だったら見えない、できないで終わらせちゃダメだ。見えないならどうしたら見えるようになるか。できないならどうしたら出来るようになるか。そう考えないといけない」


「「「「「「はい!」」」」」」


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