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魔術の講義は面白いかな?

「例えば、この中にウォーターボールの魔術を見た事がある、あるいは使った事がある人もいるだろう?あの水の塊が飛んでいく魔術、当たったらそれなりに怪我をするね」


皆、頷く。


「でも、同じ量の水をぶっかけたところで、怪我しないだろ?この二つには違いがあるはずだよな?」


魔力が、とか言う声が聞こえる。


「そう、魔力だ。魔力が人間にダメージを与えるんだよな。言い換えればウォーターボールの水は水であって水では無い。水の性質を帯びた魔力の塊だと言えるかな」


ここまでは感覚的にわかっているのだろう。

皆大人しく聞いている。


「さて、ここで大きな溜池を想像してほしい。今、その溜池は枯れている。ここに水を魔術で満たしたい。水を桶で運んではいけないとしようか。どうしたら良いかな?」


皆隣の学生と相談している。


「そうだな、そこの金髪の長髪の男子。君はどう思うかい?」


「ウォーターボールではダメなんですよね。魔力の塊だから」


「そうだな。よく気づいたね。厳密にはダメということは無いが、まあその前にボコボコに溜池に穴が空くだろうな」


「ウォーターウォールではどうですか?」


なるほど、防御魔術のウォールなら穴は確かに開かないだろう。


「穴が開かないぶんいいかもしれないが、魔力効率が悪すぎる事は同じだろうね。正解は生活魔術のウォーターだ」


ざわついてる。

良いリアクションだね。


「あの魔術だけが、純粋に水を出すだけの魔術だ。だから、ウォーターをいかに効果を増幅させるかを考えたら良いんだ」


一人の手が上がった。


「そんなこと出来るんですか?」


「非常に特殊なスキルが必要だが、できない事はないよ」


まあ、この辺りも一度見た方がわかってもらえるんだろうな。


「さて、こういう風に魔術を真剣に考えていくと、魔力とは何か、水とははどんなものか、ちゃんと理解している事が大事なんだとわかるよね。魔術だけじゃなく、錬金術や、魔物生物学、数学、様々な学問も学ばないといけない」


ちょっと理解してきたかな。


「それに考えてほしいんだ。皆、古代の文明では魔術が栄えていたことは知っているよね?だったら、まず古代の魔術書を読めば基本は身につくと思わない?」


段々学生達の顔が引きつってきたぞ。


「古代文字くらい、読めないとね。あとは、魔道具なんか作るんなら、鍛治や工芸、縫製なんかもできた方がいいし」


ここまで脅かしておけば、まあ良いかな。


「もし、魔術学校へ進学を希望するなら、その事を頭に入れておいてね。第五学年の講義では、最低限みんなが魔術を思い通りに使えるようにする。勿論頑張る生徒にはそれ以上を教えるけどね」


「先生!質問があります!」


元気のいい声だ。

ショートカットの女子生徒。

美人とまでは言わないが、愛嬌があって皆に好かれるタイプだな。


「何ですか?」


「先生は先日、ギルドの魔術師を相手に何か一斉に爆発するような魔術を使っていましたが、あれは何だったのですか?誰に聞いても見た事がない魔術だと言っていました」


さて、困った。

アレを説明するには、意外と時間が掛かるぞ。


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