きっとこれは脅迫じゃないよ、そう思ってる
結局、サンダーランドに対する警告は僕が自ら遺体を届けて、サンダーランド国王に文書を手渡した。
署名の順番は、僕が最初で、エルカディア、カリム、ラグランの順だった。
三人が言うには「我々はタイカイに乗っかるだけだから」だそうだ。
しかも、ニヤニヤしながら言ってたし。
多分、それにちょっとイラっとしてたんだろうね。
そこに疑問を感じたのはサンダーランド側もそうだったらしい。
そもそも誰だ、お前はって話だろう。
「失礼ですが貴方は……」
「チョロチョロ目障りな事を仕掛けてきたのは君達の方だったよな?それともアレか?国相手だとセコく裏から手を回すようなことしか出来ないけど、個人相手なら何とでもなると思ってるのか?」
「そのような事は……」
頭の悪そうな中年の男が顔色を変えた。
宰相という感じでは無さそうだ。
武官のお偉いさんって感じだな。
「貴様!陛下に対して無礼だぞ!」
僕は無言で捕縛した。
少し強目の電流を流して気絶させた。
「どうやらサンダーランドはロクに教育も出来ない国らしいな。今の無礼で請求額が倍になったぞ」
「あの……どうして我々が」
「サンダーランドが魔術師ギルドを使って三国にチョロチョロ干渉してたのは調べはついている。貴様の五男も関わっていたな」
「それは!」
「流石にザイルベルグという学園都市で武力行使をしたのは不味かったな。まあ、魔術師ギルドなんて所詮見習い以下の集団だ。僕一人で充分鎮圧できたけどね」
「……我々は知らない」
「知ってるか知らないかは問題じゃ無いんだ。いいか、よく聞けよ。魔術師ギルドは僕に対し武力行使をした。その結果彼らは一人残らず右手を失った」
相槌さえ挟ませず、僕は続けた。
「だが優しい優しい僕はそんな彼らに義手を提供した。それもたった王貨1枚でだ。自らの手と同じように動き、魔術も同じように使える義手がたった王貨1枚だぞ。それなのに彼らは支払いを免れようと、僕を攻撃してきた」
「……なんと!」
「たかが、魔術師ギルドの連中の魔術など毛ほども痛くは無いが、私の好意を殺意で返すとはね」
「それは、流石に……」
「帝国の法は今も現役である。まして、事件の場は三国のどこにも属さないザイルベルグだ。帝国の法では、商取引において相手方の生命を脅かすような手段で支払いを免れようとした場合、無制限の損害賠償をする責めを負う」
「それは、理解できる」
「そして、それを組織として行った場合、全ての構成員、及びその相続人がその責めを負う。今回、この場で私に対して武力行使をした中に、マルコ・サンダーランドが含まれていた」
「そんな!危険な場には行かないはずだったのだ」
「彼らとの約束がどうあったかは知らないが、現実に今回遺体となって帰ってきたわけだ。組織的犯罪集団の一員として。生き残りに対する尋問も終わり、全員死刑も確定した。そして、私のギルドに対する請求権も確定している」
「……それを私にというわけか?」
「一つ質問しよう。何故僕が一人で来たのかわかるか?」
「確かに普通ならそれなりに人数を整えて……」
「理由は二つ。一つは同行者が責任を負う事を避けたかった。もう一つは、特に危険も無いからだ」
「危険がない?」
「見た方が早いな」
窓から見える大きな山があった。
険しく到底人の登れる山では無さそうだ。
僕は50乗の浮遊機雷を山頂にセットして、そこに向かってファイヤーボールを撃った。
何とも表記のしにくい強烈な爆発音と、眩しい光と、圧倒的な炎で山は消し飛んだ。
「さて、もう一度質問しようか。僕がほんの少しでも危険な目にあうと思うかな?」




