~座学~
1時間みっちりと訓練を終えた生徒達は疲れたように教室へと戻って行く。あの訓練は肉体的にはなんの問題もないが、精神的には問題大有りなのだ。メイジはそっと精神干渉系のスキルを使い、回復をさせてはいる。
「さて、流石に座学は俺は分かんねぇからなぁ、シューン頼む」
「元よりそのつもりで来たからのう、準備は出来てるのじゃ」
まぁぶっちゃけ『ナビ(ソウちゃん)』に頼んだら解決してしまうけどなぁ。
あ、ナビと言えばアメリアのサポートは一時的に無くなっているようだ。何でも、近頃転移者達の動きが活発になってきたようで、諸々の処理をしなければいけないとか何とか。だがしかし、夜のフルコースにはちゃんと参加しているし『最近忙しくて膝枕ないとやってけませんよ~』とか言ってたから夢では確実に会えるだろう。
『呼びました?』
「え?あぁ、いや何でもない。アメリアは今大丈夫なのか?忙しいんじゃ無いのか?」
『えぇ、今さっきから休憩中ですよ。全く···女神に言いよるのもいい加減にして欲しいです!』
「···それは転移者か?」
ゆ る さ ん ぞ ?
『はい···その人何か運だけで強くなった人みたいで自分を主人公だとか言ってるんですよね』
「こっわ、主人公補正かかってるって思ってるのか?」
『はい、私を俺のハーレム一号にするとか言ってるんですよね···気持ち悪いです』
「殺していい?」
『えっと···流石に殺すのはちょっと···せめて半殺しで···』
「アメリアがそう言うなら半殺しで済ませるかな、それか精神崩壊」
『なら精神崩壊がいいです♪私の言う事全部聞かせられる傀儡にしましょう!』
「いいな···それで性欲も無くすように······」
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「ちゃんと復習をするんじゃぞ?」
授業はシューンが全てやってくれた、ぶっちゃけどのくらいが難易度か分からなかったし、座学なんて分からなかった。い、いや?勉強が出来ない訳じゃないよ?地球では普通の高校の普通科の中間ぐらいの順位にいたよ?ただ単にこの世界の授業が分からないわけじゃないから!ていうか魔法なら全部使えるから!
「「「「「起立!礼!ありがとうございました!」」」」」
授業が終わったので、俺達は急いで講師室へと向かった。そのままいると生徒たちに囲まれそうになったからだ。講師室に向かうと途中で何人かの生徒に声を掛けられるが、軽くあしらって講師室に向かった。
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「はい、では彼が件のSランク冒険者メイジ。そしてこの学園の卒業生であり元Sランクのシューン・ローズさんです」
学園長に紹介される俺達。講師室には50名以上の教師がおり、次々に挨拶を交わしていく。年齢は様々で20代から70代までの幅広い教師がいた。
「いやはや、Sランク冒険者様と会えるとはのぅ」
「噂通りカッコイイですねぇ、私の羽根がキュンキュンしちゃいます」
「久しぶりにワシの女が疼くわい」
二人目の若い天使族の女性はともかく最後の老婆にはゾッと来た。短い付き合いになるだろうけど名前は覚えた方がいいだろう。ということでスキルを使い名前を記憶した。ホントスキル便利。あ、因みにさっきの天使さんは『ミカエル』というらしい。あ、可愛いから覚えたわけじゃないからね?同じ魔法科の先生だから覚えただけだからね?
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食堂。ここの食堂は生徒との交流を深める為に、講師は生徒との食事をなるべく取るように勧められている。
「あ!メイジ様!」
食堂で俺達を待っていたのはアイシス姫とクラスメイト達だった。




