~授業~
「ねぇねぇ、2年のエリートコースに来た新しい先生の事知ってる?」
「知ってる!目茶苦茶イケメンなんでしょ!?」
「そう、しかも最近噂のSランク冒険者らしいよ」
女子生徒達の噂は広がる。いくら城並みに広く、多くの学生が在籍しているこの学校でも、女性達の情報伝達スピードは早く、朝のホームルームが終わった後物凄い速度で伝達されたみたいだ。俺の授業は二時間目からなので、シューンと校内散策デートでもしようか。
「てなわけでデートするぞシューン」
「えへへ···嬉しいのじゃ···」
「まぁ校内回るだけだけどな、取り敢えず授業に使う場所でも行くか」
「そうじゃな、実技室にでも行くかのぅ」
その後、2人で校内デートを楽しんだ。俺は高校生活の途中で転移したので何となく懐かしい気持ちになった。
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デートも程々に、1時間目の魔法学になった。この学校では魔法は体で覚えろ!という方針のようで、2時間のうち1時間は実践授業のようだ。
「気を付け!礼!」
「「「「「宜しくお願いします!」」」」」
「さて、確か今の2年生は···中級魔法を覚え始めたぐらいだな。『神眼』」
うーん、魔力がイマイチ足りないなぁ。まだ中級魔法を扱うにはちょっと足りない。
「よし、一部を除いて魔力がイマイチ足りないな。魔力の上限を増やす訓練をするぞ。取り敢えず魔力全部使って貰うから」
「「「「「え?」」」」」
「よし、全員で掛かってこい。ぶっちゃけ俺の実力を疑っている奴いるだろ?俺への試験だと思って思いっきりやってくれ」
「「「「「は、はい!」」」」」
「男子諸君、女子達にいい所を見せれるように頑張りなよ」
「「「「お、オオッ!」」」」
そして生徒達は陣形を組み始める。男子が前で女性が後ろの簡単な者だが。
「始めなのじゃ!」
「「「「「ファイアーボール」」」」」
火球が迫る、その大きさは大小それぞれだが。
「『ファイアーボール』『並列実行』」
メイジはその全てを相殺した。生徒の放ったファイアーボールの大きさと同等のものを寸分違わず。
「「「「「はっ!?」」」」」
「ほらほら、もっと撃ってこい。魔力尽きるまで終わらせねぇぞ?」
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「はぁ···はぁ···」
「こひゅ~」
「よし、皆魔力を限界まで使用したようだな。魔力の上限を増やす為には核を強化しなけりゃいけない。お前達限界まで魔力を使用したことは無かっただろう?魔力の核は何度も限界まで使用することでその魔力消費に対応しようとする。その対応が魔力の上限を増やす事になるんだ」
「「「「「わ、分かりました」」」」」
「さて、流石に1回じゃあ殆ど上がらないからな、二回目行くぞ?『エリアハイヒール』『魔力讓渡』」
「「「「「へ?」」」」」
「ほら、体力も魔力も回復しただろう。頑張れ、魔力を増やした後に御褒美を上げよう」
「「「「「ひぃ~~!」」」」」
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「『ハイヒール』『魔力讓渡』よし、時間いっぱいまで良くやった。御褒美をあげよう『創造』 プリンアラモード ミックスジュース」
御褒美を生徒一人一人に渡す。プリンアラモードは普通のプリンアラモードと違い、食べた者が1番甘美と感じる甘さになるようにしてある。ミックスジュースはソウちゃんに貰った世界樹の果実を少しづつ使用している。アレには少し神力が含まれているので大量には摂取出来ないが、地上では王族でも一生に1度口に出来るかという高級品で、とても美味い。
ハードな訓練の後に御褒美を渡す。これはメイジの考えた『飴と鞭』授業である。
テスト辛いいいいいい。暗記科目辛いいいいい。一夜漬け辛いいいいい。爆死辛いいいいいいい。




