閑話~アマテラス婚約者現る~
私は太陽の神、天照大神。地球を管理する創造神。神界でのNO.2だ。自慢するつもりではない。そんな私に婚約者筆頭ができた、今はあくまで仮だけれど。まぁこれから新しく婚約者を作るつもりもないけれど。しかしそんな立場の私が婚約者が現れたとなったら···。
─────わ、わたくしは···アマテラス様に長年尽くしてまいりました!
まずイケメンじゃないし全くときめかない。それに金もないし。尽くして来たって言ってもあくまで仕事上の話、プライベートでは接点ゼロじゃない。
─────お、おれの方が、い、いくらでも甘やかせて上げられるんだなっ!
太い、汚い、汗臭い···あなたが甘やかされてるんじゃないの?
─────お、俺に新しい扉を開いてくださった責任を···!
貴方だーれ?
まったくもって面倒だ。いきなり家の前に押しかけてきて。貴方達全員前に断ったじゃない!しつこいのよ!こっちの迷惑も考えてほしいわ!
─────うっひゃ~こりゃ納得だわ···。
だからめん···ってこの声は!
「名人!?」
私はその声を聞き思わず家から飛びだしてしまった。ブ男達の視線はこちらに集まる。
「ま、まさかアイツが···」
「こ、婚約者···?」
私が公表したのは婚約者がいるということだけ。婚約者が誰かは言わなかった。だから自分が婚約者!と淡い、淡すぎる期待を込めてここに来たのだろう。
「そ、そうよ!名人が私の婚約者!」
「「「「「そ、そんなぁ~~!」」」」」
「ハッキリ言ったなぁ···」
殆どのブ男達は膝をついている。しかし1人のブ男が···。
「彼は本当にアマテラス様の婚約者なのですか?我々をあしらう為に仮の婚約者を用意したのではありませんか?」
「そ、そうだ!そうに違いない!」
「「「「「そうだ!」」」」」
「はぁ~?本当に決まってるじゃない!」
「証明をして頂きたい。アマテラス様と忌まわしい彼が婚約者であることを!」
しょ、証明!?そ、それなら···。
「名人!こっち来なさい!」
「お、おう。まさかするのか?」
「しょ、しょうがないじゃない!恥ずかしいけどやるしかないわよ!やらないとこいつら納得しなさそうじゃない!」
「やるならアマテラスからの方がいいぞ?」
「そ、それ位分かってるわよ!」
名人と正面で向き合う、恥ずかしいけれど名人と婚約者になるためならやるしかない。私から名人に近づく、前とは状況が違うため緊張する。
そして2人の唇は何の問題もなくくっ付いた。流石にこの状況では舌を入れることは出来ず、少し不満はあったがやっぱり名人とキスするのは気持ちがいい。
「「「「「「「「そんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!うそだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」」
えへへ♪
その後無事ブ男達は泣きながら帰っていった。