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女神の恋人  作者: おうどん(きしめん)
第6章【全大神大会】
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~地球へpart7~

「ふぅ~」


アマテラスと入り口前で別れた俺は平日で比較的空いている温泉に入っている。混浴は流石に無いわ。温泉は少し濁っていて体に良さそう···な気がする。


俺は温泉のマナーはあまり知らないが最低限はした···はず。勿論入る前に体は洗ったしかけ湯もした、タオルも湯舟には入れてない。いつも大勢の女性陣と一緒にお風呂に入っていたからこのように一人でゆっくりできてうれしいかも。


「やっぱりすぐにのぼせてくるなぁ」


俺はお風呂は好きなのだが長風呂はできない、なのでサウナとか入ったら数分でアウトだ。なのでのぼせ切ってしまう前に露天風呂に行くことにしよう。



·········

······

···



温泉から出た俺は浴衣姿、旅館の浴衣は歩きにくいけど何か特別な感じがして結構好きだ。アマテラスとは大浴場から出た休憩場で待ち合わせている。休憩場に備え付けられている水を紙コップに注いでごくりと飲む。アマテラスは風呂が長そうだ、太陽の神だから熱さには強いだろうし何しろ女性だ。お風呂だって長いだろう。はっきり言って暇だ。


ぐで~っとしてイスにもたれかかる。


そのままぼーっとして待つこと十分ほど。女湯の方から神力を感じる。休憩場にいた男性の視線が全てその方向に集まる。


「待たせたわね」


はっきり言って見惚れた······アマテラスの浴衣姿。前も見たことがあるはずなのに。


「·········」

「ん?どうしたのよ、ぼーっとしちゃって」

「い、いや、アマテラスはやっぱり浴衣が似合うなーと」

「あ、ありがとう」


真っ先に此方に駆け寄ってきたアマテラス。その姿を見たのか休憩所の男性達は落胆している者や鋭い目線を送ってくる者などの視線が痛い。


「すみませんよろしいですか!」


休憩場にいた十人ほどの若い男性の集団。その中の一人がアマテラスに向かって話しかけて来ていた。ナンパだな。


「なに?早くして?」

「俺らと一緒にお茶しませんか?」


堂々としたナンパ、どうやら集団でアマテラスをナンパしているようだ。


「嫌よ」


即答である、哀れ男性集団。


「そ、そこを何とか···」

「俺ら男子校で···」


どうやら高校生のようだ、男子校で女性に飢えているのか、可哀そうに。


「結構よ、生憎貴方たちよりイケメンがここにいるから」


そう言って腕を絡ませてくる。完全に俺をナンパ避けに使うつもりである、仕方がないから協力はしてやろう。


「ほらやっぱり···」

「や、やっぱりイケメンか···」


玉砕である、その中でも声をかけてきた男性が崩れ落ちる。


「ほ、ほら部長気を強く持って」

「流石にアレは無理ですよ、あの女性完全にあの人にメロメロですもん」


高校生集団はすごすごと引き下がって行った。可哀そうに。


「ほ、ほらもう大丈夫だろ?」

「···でも、さっきあんなこと言っちゃったから部屋に帰る前まではこうしなきゃ駄目じゃない···」

「まぁここにいる人たちには俺達が恋人見たいになっちゃってるしな」

「そう···そうよ···め、めんどくさいったらありゃしない···」


俺達は部屋までくっつきあって移動した、俺はアメリア達で慣れているがアマテラスはそうでもないようで少し照れていた。地球でアマテラスとくっつきすぎじゃねぇ?というか恋人でも決して腕を絡ませる必要は無かったんじゃないのか···?そんなことを思いながら部屋へと帰った。



·········

······

···



部屋で料理を食べ終わった俺達はくつろいでいた。


「今日のデートはどうだった?」

「···ま、まぁ良かったんじゃないの?少なくとも私は?それなりに?楽しかったわよ?」

「そりゃよかった」


こたつの中に入るアマテラスは頭だけ布団の中から出している、こたつむり状態だ。


「なぁ、寝るときの事なんだが···」

「半分から出たら即処置だからね」

「処置···かぁ」


ぐちゃぐちゃにされそう。多分寝てるから無抵抗でグチャられるな。怖い怖い。


「さて、そろそろ寝ましょうか···」

「そうだななんだかんだもう11時ぐらいだし」


今日は一日歩き回って疲れた、勿論肉体的にではなく精神的に。布団が敷かれている部屋に入る、仲居さんによって敷かれた布団は中央でぴったりとくっついていた。


「貴方に襲われちゃたまらないから···」


アマテラスは布団を二つとも部屋の隅に移動させ。


「こっちまで来たら処刑だからね!」

「分かってるよ」


俺は部屋の電気を消し布団に潜り込んだ。程よい疲れ(精神的)と久し振りにリラックスできた。



────────────────────────────────────────────────

sideアマテラス


ね、寝れない────。い、異性と寝ることがこんなに緊張するなんて。うぅ···このデートだってあいつにくっついてばっかだし!い、意識しすぎよね?私があの顔だけの奴に···ほ、惚れてる?


私は寝ているであろう名人(めいじ)のここから眺めてみる。


「やっぱり顔だけはど真ん中ストライクなのよねぇ···」


名人は顔だけならこれまでに無い相手、それは分かってるし認めてる。だけど初対面は最悪だった。しかし最近や今日はどうだろうか?


あいつは優しくなった気がする。ていうかこれがあいつの素なのかもしれない。今日のあいつなら十分に私を甘やかしてくれるだろう···。


「·········」


あ"ーーーーーどうしてこういう考えに至るのかしら!確かにあいつは私の出した条件に全て適してるかもしれないけど!


私はふと思った『惚れてるか確かめたいのなら一緒に寝てみる』だ。


普段のアマテラスならこんな突飛な考えには至らなかっただろう。しかしこの時のアマテラスは色々と()()()()()


アマテラスは自分が決めた境界線を自分で破り名人のいる布団の方に歩いていく。そして名人の布団までたどり着くとその顔を覗き込む。


「·········」

「寝てるわね···」


スキルなどを使って名人は寝ていることが分かった、これなら気づかれる事は無いだろう。


「む、むぅ~」


コイツの近くにいると自然と顔が熱くなる。そして心臓の鼓動が早くなる。私にだってこれくらいは分かる。


「やっぱり恋煩いなの···?」


こんな考えに至った自分に自己嫌悪する。その不安定な心はまたもや後世のアマテラスの黒歴史になる考えであった。『一緒に寝てみればもっと詳しく分かるんじゃないの?』


そこからは自分の気持ちを確かめるために検証を行った。『匂いを嗅いでみる』や『目と鼻の先まで近づいて見る』などだ。


「·········」


検証に疲れたアマテラスは名人に抱き着いた体勢で意識を落とした。

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