~地球へpart5~
お姫様だっこをしたままスキルを使い境内の人目が無い場所へ飛んだ。
「···」
お姫様だっこされているアマテラスは以外にもポカーンとしており、微動だにしない。運ぶこちらとしては助かるがおろした後が怖いな。俺はスキルで人払いの結界を張った。
「す、すまんアマテラス、何か流れで···」
俺はアマテラスを降ろす。するとアマテラスはハッとした表情で。
「な···な···な···」
「···」
「流れってなによ!ありえない!」
「···いや、なるべくあの場から早く退散しておきたかったから···すまん」
恋人でもない女の子を不意にもお姫様抱っこしちゃったしなぁ。
「大体記憶飛ばしたんだったらあんなに早く退散しなくてもよかったじゃない!しかもあの抱え方じゃなくても!」
「うん?別に重く無かったぞ?」
「体重の事気にしてたわけじゃないわよ!」
「うっ···こればっかりは俺が悪いな···すまん···」
「···ま、まぁ私を助けるためにやってくれたことだし···一応礼を言っておくわ···その···ありがとう?」
アマテラスをかなーり顔を赤らめ、目も合わせずにそう言った。アマテラスは素直にお礼を言うのは慣れてないのかこれまでで一番恥ずかしげである。
「アマテラスもそうやっておとなしくしてれば可愛いのになぁ」
「···普段は可愛くないってことね?」
その後アマテラスの機嫌取りに大分時間を取られた。
·········
······
···
時刻は午後二時、昼食には少し遅い時間、俺達はなぜかアマテラスが来たいといった日本で一番有名なファストフード店に来ていた。
「俺はビックバーガーのセットでドリンクはコーラ」
「わ、私はフィッシュバーガーのセットで飲み物はお茶で」
笑顔を浮かべている店員に注文する、流石にスマイルを注文するようなことはしない。有名チェーン店といえどもお昼のピーク時を過ぎているのか急いで席を確保する必要なさそうだ。しばらく待ち、店員からトレーを受け取る。
「早いのね」
先に席に座っていたアマテラス。周りの客、それも主に男性客は何故かガックシしていた。
「···なにかあったのか?」
「うん?私に言い寄ってきたのよ」
「この感じだと玉砕したみたいだな」
「うん?『私のとこに来る男よりイケメンなら少しぐらい付き合ってあげるわ』って言っただけよ?」
「俺を理由にするなよ···」
もしこれで俺がイケメンんじゃなかったらどうするんだ。最近やっとイケメンっていう自覚が持ててきた。···なんか俺ナルシストっぽいな···。
「大丈夫よ、貴方以上のイケメンなんてそうそういないわよ、そもそも私が覚えている中で一番イケメンだもの。顔だけは自信もっていいわよ?」
「顔だけですか···ハハハ」
「それより冷めちゃうから早く食べましょう?」
「あっ···はい」
·········
······
···
アマテラスはハンバーガーの事を気に入った様子でいくつかテイクアウトしていった。
「迫力あるわねぇ」
現在は日本の南、沖縄県に来ている。今は日本は冬はじめ、なので温かい沖縄県に来ている。俺は日本ではロクにデートに来たこともないのでデートの王道、水族館に来ている。沖縄の水族館と言ったら美ら海水族館に来ている。今は一番有名なジンベエザメを見ている。
「アマテラスって一応この世界の管理者みたいなもんだろ?なら全部知ってるんじゃないのか?ハンバーガーとかだって···」
「うん?私は情報として知ってるだけ、実物は見て無いわよ?今回のように特別な時ぐらいしか降りてないわよ?」
「ふーん、知識だけって事か」
「なんかその言い方むかつくわね」
デートは続く、アマテラスに満足してもらえるように頑張ろう。