~地球へpart2~
程なくして手紙を書き終えた俺はいつの間にか頼まれていたミルクレープを頬張っているアマテラスを眺める。
「うん?書き終わったみたいね。今食べきるから待ってなさい」
「お前それ誰が払うんだ?」
「大丈夫よ、あなたがこっちにいた頃の財布を取り寄せたから」
そう言ってアマテラスは黒い長財布をどこからか取り出す。ってそれってモロ俺のじゃねえか!
「それ俺の財布なんだが···」
「別にいいじゃない、どうせもう使う事なんてないんだし」
「···まぁそうだけどさ···」
「ならいいじゃない」
「流された気がするんだが···」
結局俺の財布の中身で支払いを済ませたアマテラスと俺はテキトーな路地に入る。
「いい?行くわよ」
「なんか緊張するな···」
「多分地球に来れるのは早々ないからしっかり目に焼き付けることね」
「分かってるよ」
俺達は転移した。俺が住んでいた家に···。
「へぇ、なかなか大きな家じゃない」
「父親が結構稼いでるからな、年収とか8桁行ってるらしいし」
「へぇ、あんたおぼっちゃんだったの?」
「向こうなら俺の方が年収は高いけどな、神力なんか無限だし。これならお前の条件に合うか?」
俺は少しふざけながらアマテラスをからかった。
「な、あんたそれを何処で!」
「さぁ俺は手紙届けてきまーす!」
「ちょ、ちょっと!」
俺はアマテラスから逃げる様に家へと向かって行った。
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sideアマテラス
アイツはにやけながら走り去って言った。アイツの言っていた『条件』とは私が言っている結婚の条件だろう。
アレを知っている人物で話しそうな奴···、あの腐れ兎ね···許さない···。
それよりもアイツが言っていた条件···。アイツは地球出身だし···、収入だって神力が無限なら金には困らないし···、まぁ性格は悪いわよね···!···多分。か、顔はアイツは憎たらしいことにイケメンなのよね···。
あれ?アイツ結構当てはまってない?···いやそんなことは···でも···性格がダメね!全然私を甘やかしてくれなさそうだし!
···はっ!私なんでアイツを結婚対象者に見ていたのかしら、あ、あんな顔だけの奴···。
あーーー!何なのよこれ!すっごくモヤモヤする!これも全部アイツのせいよ!ムキーーーっ!
アイツが戻ってきたら思う存分連れ回してやるんだから!
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sideメイジ
さてと、アマテラスのお陰?で、リラックス出来たことだししっかり行きますか。久しぶりの帰宅だ。まぁ姿が見えないようにスキルは使うけど。鍵?鍵なんて関係ない、家の中に転移すればいいんだし。
俺は家の庭に差し掛かったところで目にしたのは部屋に置かれている仏壇とそれに線香をあげている両親の姿だった。
(まぁ、そうだよな···)
俺はこちらの世界では既に死んだ存在、普通ならこの場にはいることは出来ない。アマテラスのお陰だ、後でお礼をしっかりしなきゃいけない。
俺はそっと両親の後ろに転移した。
多分次回はモロシリアスになりそうです。シリアスとかいつぶりだろう···。