~地球へpart1~
見覚えのあるコンクリートの街並み。ここは地球の日本だ。俺達は路地に出現した。
「やっぱり今の日本の空気は悪いわね···昔はよかったのに···」
「神界やギールと比べるとね、日本は先進国の割には空気はいい方だけどね」
「むう、ちょっと世界をいじろうかしら」
「そんなに簡単に変えていいのか···」
俺達は目立つ前にそそくさとアパレル店に入った。
·········
······
···
「なかなかいいじゃないコレ」
「気に入ってくれたのならよかった」
店中の店員と客を洗脳しアマテラス用に見繕ってもらった。此方側は秋終わり頃なのか行き交う人々は皆少々集めの服を着ていた。という事で見繕ってもらったのは黒いツインニットカーディガン、白いスカーチョに黒いブーツを履いている。
「似合ってるぞ」
「ふーん、そ。じゃあ貴方の家に···」
「まて、まだ手紙書いてないわ」
「そう、じゃあかふぇ?とやらに入りましょう」
俺達は近くにあるカフェ目指して歩いていく。
「さっきから視線が痛いわね、貴方なんか変な事したんじゃないの?」
やはりと言うべきか毎度恒例視線が痛い。こう美少女ってのはもう少しだけ自覚を持ってほしいもんだよな。
「俺はただ単に歩いていただけなんだが···てか転移はしなかったんだな」
「こーゆーのは気分よ気分。それに男女が二人で出かけるのを『でぇと』というのでしょう?私一回してみたかったのよねー」
「その相手が俺でよかったのか?」
「相手?どういう事よ?あなたじゃ『でぇと』にならないわけ?」
「あぁ、いやそういうことじゃなくて···まぁ後でちゃんとアフラクにでも聞いてくれ」
「???まぁいいわ」
だめだこりゃ、デートを理解してない。後でアフラクから聞いて顔を赤くしているアマテラスが目に浮かぶな!
「なにニヤニヤしてんのよ、気持ち悪いわよ」
「うっせ。これはお前のせいでもあるんだからな」
「は?どういうことよ」
「ふっふっふ、それは後で知ることになるだろう···」
「きもい」
「流石に今のはグサッときたなぁ···」
そんなこんなで俺達はカフェに入る。カフェに入ったところでいつも通り視線を受けるが幾らか時間を置くと視線が止んだ、これぞ日本人。
「えーと何を頼んだらいいの?」
「アマテラスは苦いのは苦手か?」
「いえ?べ、別に?」
「じゃあカフェラテとコーヒーにするか」
俺は店員に注文し手紙を書き始める。因みに手紙とボールペンは創造で作ったものだ。うーむ、親に向けて手紙を書くというのは恥ずかしいな。
「ふーん」
「な、なんだよ」
「貴方のその手紙の内容、他人でも見ると恥ずかしくなってくるわね」
「そうだよなぁ、書いてて恥ずかしいけどこれは今の俺の本心なわけで。···こっちに帰るのは時間制限で可能なんだろ?もしこの手紙が本物だと思われなくてもちゃんと書くつもりだ」
「ふーん、ま、がんばりなさいな」
しばらく手紙を書いていると店員がカフェラテとコーヒーが運ばれてくる。
「ほれ、苦い飲めるんだろ?」
「う、うん『こーひー』よね飲んでみたいとは思ったのよ···?」
アマテラスは恐る恐るコーヒーを啜った。
「にっがい!」
えぇ···。
「なにこれ···なんでみんなこれ平然と飲んでるのよ···」
「苦いの平気だったんんじゃなかったのか?ほら···こっちなら飲めるだろう」
俺はカフェラテを差し出した。
「むぅ、これなら飲めるけど···」
「なんだお前見栄を張ったのか?」
「うっさい!黙って手紙でも書いてなさい!」
「へいへーい」