~突然の再開~
俺達三人はフィールド場に上がる。フィールドに上がるとこれまでとは比べ物にならない程の歓声がコロシアムに響き渡る。この大会のメインイベントってのは間違いなさそうだ。
反対側からも邪神が二人歩いてくる。
一人は···めちゃくちゃドス黒いオーラを発している気がする。心なしか此方を見ている気が···って完全に此方を見ているじゃないか!な、なんなんだ!?
もう1人は···!?あれは···!?
ハスタさん!?
あのウサ耳、間違いない!?
「は、ハスタさん!?どうしてここに!?」
「あら、メイジさん、お久しぶりですね」
「いや、そう当たり前のように返事されると困るのですが···」
「ふふふ、冗談ですよ。···こほん改めて自己紹介を、私『破壊を司る邪神』ハスタ改め『ラスプ』と申します!」
破壊を司る邪神···、まさかハスタさん···もといラスプさんが邪神だったなんて。邪神が知り合いだとは思わなかった。
「まさか地上にいた時は特異点の俺を監視する···とか···?」
「いいえ?暇つぶしに地上に降りてたときにメイジさんが来ただけですよ?」
俺とラスプさんが出会ったのは偶々のようだ。ていうか下界にむやみに降りるのは禁止なんじゃなかったっけ?まぁ俺も亜神の頃バリバリ下界で活動してたけど。
「~~~♪」
俺の心を読んだのかラスプさんが口笛を引いて明後日の方向を向いている。うさ耳は落ち着きが無くなったようにあたふたぴょこぴょこしている。
「図星ですね、本当にありがとうございました」
「ええっ!?私は別に『仕事が面倒だから逃げてた』わけじゃないですよ!?」
もう駄目だなこりゃ。
「メイジー、ラスプ虐めはそこまでにするのじゃ」
「もう一方は貴方に用があるっぽいけど?」
先程からずっと此方を睨み付けてくる男性。金色に輝く髪は不自然に固まっており尖っている。目つきは鋭く耳に黒色のリングを付けている。見た目はアニメや漫画などで見るヤンキーだ。俺がこのフィールドに着いてからずっと睨み付けてきている理由が知りたい。
「あぁ···それはですねぇ」
ラスプさんが耳打ちしてくる。
「(この人アメリアに求婚したんですよ、それも強引に。 あ、安心してくださいアメリアは断りましたから。 まぁ求婚したのは最近だったし当然なんですけどね!)」
··················。
フッフフフフフフフフフフフフ···。
『私はちゃんと断ってますからね!あんな人なんかに靡きません!』
可愛い、アメリアを守るために全力を出さなければいけないようだ。
「てめぇ俺からアメリアを奪いやがって」
·········(#^^#)。