~イケメン発覚~
おった、ということは今はいないということか?
「うむ、現在、悪神は二人じゃな」
うん、なんとなく理解した。
多分こういうことだろう。
アフラクは『邪神』と初対面の時に言っていた。
更には女神が創られたのは四人。
だがしかし現在は女神が五人いる。
これ即ち。
「アフラクは女神になった···?」
それしか考えられない。
邪神だったアフラクが女神になり、現在の5人になったのだろう。
「そうだ、元々女神は4人、そこにアフラクが入って5人になったんだ」
「でもどうしてアフラクは女神に···?」
「それはじゃな···」
「いや、いい俺が直接アフラクに聞く。もしかしたら何か事情があるのかもしれないし」
「···そうじゃな、それがいいじゃろう」
なんかしんみりした空気になってしまった。
うーん、こういう感じは苦手なんだよなぁ。
「はい!この話はここまで!二つ目行きますよマスター!」
「ああ···」
ソウちゃんがキッパリとこの話を切った。
うん流石ソウちゃんちゃんとデートの事もしっかり考えとかないとな。
といってもデートは絶対に神界の中でだけどな。
「二つ目の話は全大神大会についてです!」
全大神大会か、確か特異点である俺も参加するんだよな?
内容は全く聞かされていないからどんなことをするのかは全く分からない。
大会と言うくらいだから闘うのか?
「マスターにはこの大会の主役として···」
「ゴクリ···」
「優勝賞品となっていただきます!!」
え?賞品?意味不明なんですが!?
「賞品と一概に言ってますが実際は『一日マスター譲渡権』です!」
は?ちょっと何言ってんの?俺が勝手に一日賞品にされちゃってんですどぉーーー!?
そもそもなんの需要があるんだよ!
俺なんて今まで努力をしてこなかった軟弱者だぞ?
この力だって与えられた物だから自分自身の力とは言えないだろう。
「俺が賞品になったって需要なんてないだろうに···」
「「「え?(は?)」」」
うん?だってそうだろ?そもそも誰が参加するんだよそれ。
「マスター、鏡見たことあります?」
「え?鏡?どうせイケメンでもないんだから見たこともないぞ?ていうか現実を見たくないし」
「メイジはもっと自分に自信を持った方がいいのじゃ」
「おいおいマジか、これまでどうやって生活してたんだよ」
え?全力で見ないようにして努力したけど?物心ついたころから顔の輪郭を覚えて感覚だけで顔洗ったりしてました。
マジで不細工ということに目を向けたくなかったです、はい。
「命令です、サタンとアマテラスはマスターを拘束、アルケーはマスターの瞼を開けたままに固定してください!」
「「「はっ!」」」
「なんだとっ!?」
瞬間、サタンとアマテラスがそれぞれ俺の右腕と左腕を拘束。
そしてアルケーが浮かび上がり、手で俺の瞼を開けたままに固定してきた。
「くっそぉぉぉぉぉ!」
いやだいやだぁぁぁぁぁ!俺は現実を見たくないんだぁぁぁぁぁ!
うわぁぁぁぁぁぁ!やめろおおおおおおおおおお!
「マスターこれが現実です、しかと目に焼き付けて下さい」
ソウちゃんが手鏡を手に持ってきているぅぅぅぅぅ!?
こうなったら瞳孔を動かしまくって自分の顔を認し·····················?
誰だ?これ?何このイケメン?アイドルよりイケメンじゃね?
「おいおい、この鏡狂ってるぞ?ハハハ俺を騙そうってのか?」
「マスター、これは貴方の顔です」
「はっはっは、これが俺なわけないだろう、はっはっは」
「自覚するんじゃ、お主は···その···相当なイケメンじゃぞ···?」
え?そんなわけあるか、俺なんてせいぜいAPP7~9ぐらいだと思ってるぞ?
「ステータス的に言うとマスターのAPPは18です。人の身での最大値ですよ」
アイエエエエエエエエエエエエエエ!?最大値!?最大値ナンデ!?
「あんたヘタレなの?みてくれだけは最高なんだからもっとビシッとしなさいよ!」
「そうだぞ、男の俺が言うのも難だがお前の顔は万人の女にクリティカルヒットする威力を持つぞ」
「·········それは本当なのか?」
「マスターのその顔、そしてその立場が賞品に値する証拠です」
あ、ああああぁぁぁぁぁぁ···そうだったのか···これまでめちゃくちゃ損してたんじゃないか?
確かに日本にいた頃も何故か女性に逆ナンされまくった気がする。
俺じゃ貴方に釣り合いませんよって断っていたけど。
「······分かりました、けどこの顔が女性ウケするのは分かりましたけど男性はどうするんですか?」
「そりゃあもう嫉妬に決まってるじゃない。見目麗しい女性神達を根こそぎ奪われた男性神達の嫉妬を利用するのよ!」
ひでぇ!これはひどい!俺が被害者だったら訴訟も辞さない!
「原因作ったのあんた自身じゃない!」
そうでした···。
ああああああぁぁぁぁぁ!
単発で沖田さん当たったぁぁぁぁ!!!!
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