~神話~
説明は割と早く終わった。
仲裁にソウちゃんが入ってくれたからだ。
流石にソウちゃんの言葉はアルケーとアマテラスも信じるらしい。
「信じられない···創造神でもないのに全能神様をスキルとして呼び出すなんて!」
「俺はその時軽い暴走状態っぽかったからなぁ。全力でスキルを作ったんだろうよ」
あの時はシューンを救うので必死だったからなぁ。
無意識に世界のトップを呼び出したんだからやっぱり俺ってやばいのかな?
「やばいなんてもんじゃないのじゃメイジ!亜神だった時に全能神様を呼び出すなんて規格外にも度があるのじゃあぁ!」
「呼び出しちゃったものは仕方がないじゃないか!ていうかそのおかげでソウちゃんと話すことができるようになってうれしいけどね」
「もうっ!マスターはうれしいことを言ってくれますねっ!」
ソウちゃんは俺の肩を掴み、ブンブン揺らしている。
かーおーがーゆーれーるー。
心を読んでいるならそろそろそこまでにぃぃぃ!
「あっ、すみません!マスター!」
心を読んだのかソウちゃんは肩から手を放してくれた。
ふぅ、あのままじゃあいつか肩の骨が折れているとこだった。
常人なら触られていただけで木っ端微塵になってそうだけど。
「ちょうど良いですからサタンも呼んでここで話しちゃいましょうか♪」
ソウちゃんが指をはじき、パチンッとするといつの間にか真っ黒いソファに座ったサタンが現れた。
「ん?ここは···?って全能神様!?」
サタンも急いで跪く。
「顔を上げて、発言を許可します」
「はっ!」
サタンは顔を上げ、立ち上がった。
「ってアルケーとアマテラス、それにメイジもいるじゃないか」
サタンはこちらを向いてそう言った。
そうだな、ソウちゃんの言っていた話は全能神・創造神・そして新人の現人神で行われるものだ。
全く内容がつかめない。
久しぶりにシリアスな展開になるのか?
バッチこい、俺はシリアスな空気は歓迎するぞ、最近浮かれすぎている自覚があるしな!
俺は緊張を覚えながらソウちゃんが創造していた椅子とテーブルに腰掛ける。
「ふぅ、では第一回、善神連合会議を開催します!」パチパチパチ
「「「······」」」
ソウちゃんはそう言って立ち上がり、ホワイトボードを出現させた。
さらにいつの間にか服装も日本の女教師風になっており『これから勉強しますよー!』という雰囲気を醸し出していた。
「ソウちゃん?これは一体どういうこ「よくぞ聞いてくれましたマスター!」」
俺の言葉が遮られる。
ソウちゃんはなぜか誇らしげにかけている眼鏡をクイッと上げてからホワイトボードにあることを書き始める。
────悪神について。
それを見たアルケー達創造神達の空気が一変する。
悪神────?
悪い神ってことか?
「マスターには言っていませんでしたね、悪神というのは...」
·········
······
···
かつて全てを創った者がいた。
かの者は言った。
『世界のバランスをとるためには善と悪は必須だ』
彼女は世界を統治するために六人の配下を作った。
眩い光を放つ三人の人影をかの者は『善神』と定めた。
黒い闇を放つ三人の人影をかの者は『悪神』と定めた。
眩い光を放つ三人はのちに創造神と呼ばれ、一人が一つの世界を創造、管理する権能を保持している。
黒い闇を放つ三人はのちに邪神と呼ばれ、善神達の世界に侵入し『魔物』という存在を創った。
さらに世界に生きる生命に概念を植え付けた。
善神は『善』の心を、悪神は『悪』の心を。
『善』は『悪』が存在しない限り成り立たない。
また『悪』も『善』がなければ成り立たない。
人々はそれぞれの心に自分の善と悪を宿して生きている。
決して悪神は悪の心を持ってそれを実行したわけではない。
そういう役割を与えられたからだ。
創造神は配下を創造した。
まず四人の女神と呼ばれる自分より下位の権能を持つ存在。
これは生命を司る創造神が創った。
更に地上の生命が善行で神へと至る力を持った場合、『亜神』という種族を与える事を定めた。
邪神は配下を創造した。
まず四人の魔神と呼ばれる自分より下位の権能を持つ存在。
これは死を司る邪神が創った。
更に地上の生命が悪行で神へと至る力を持った場合、『半神』という種族を与える事を定めた。
·········
······
···
「ふふん、カッコいいでしょう!マスター!」
「···台無しだよソウちゃん···」
「えぇ!?なんでですか!」
「まぁそれはいいんだけどさ、さっき言ったことは全部事実なのか?アルケー?」
「あぁ、事実じゃ、妾達三人のほかに同等の力を持った存在が三人おった。
おった?