~全てを創った存在~
温泉旅館に泊まった次の日。
予定では今日ソウちゃんと面会がある。
追記ではかわいいっぽいので期待している。
アルケー達は緊張しているみたいだが、ソウちゃんとの会話?メール?のようなものをしてからそこまで緊張しなくなった、むしろ楽しみだ。
「め、めめ、メイジ!失礼なことをするでないぞ!」
「お、おう分かってる」
やっぱり神の頂点ってのは恐ろしいものなのか?
存在が高すぎてイマイチ実感持てないんだよなぁ。
アルケーに案内され、町から大分離れた場所に着いた。
その場所には天に伸びる長い階段があった。
階段はクリスタルの様に透明で淡く光っていた。
その階段の先にあるとてもつもなく大きな扉。
そちらも透明だったが、扉の向こう側は見え無かった。
「?何も無いのです!」
「そうじゃ、メイジにしか見え取らんじゃろうが、階段と扉が見えるじゃろう。その階段は『全てを創った存在』様に資格を与えられている者にしか見えず触る事は出来ないのじゃ」
だとすればこの階段は他の人には見えないのか。
「そうなると会いに行くのは俺1人かな?」
「そういうことになるの」
「···分かった、行ってくる」
俺は階段に足をかける。
階段を1段1段登る、登った後の階段が消えていっているため、後戻りは出来ないようだ。
1分ほどで扉の前に着いた。
「えっーと、ソウちゃん開けていいのか?」
追記:いいよ!(`・ω・´)
「分かった、お邪魔しまーす」
ゆっくりと透明な扉を開ける。
扉を開けたと思った矢先、俺の意識は遠のいていった────
·········
······
···
────んっ
···
────くぅ
···?
────ふぅっ!
···!
何やら頭の後に柔らかい感触がある。
スベスベしていていい匂いもする。
···これはされ慣れた感覚······膝枕?
そう確信した俺は意識を覚醒し目を開け体を起こした。
「起きましたね」
目の前にあったのは圧倒的な美しさ。
常に淡く光っている金色の長髪、吸い込まれるような輝きを放つ瞳をしていた。
「···貴方が『全てを創った存在』ですか?」
「···ソウちゃんと読んでくれないのですか?」
「うっ···そ、ソウちゃん」
「はい、会えて嬉しいです」
この声、何処かで聞いたことがある、いや、確実に聞いている。
「もしかして···『ナビ』の声?」
「ふふっ、そうですよマスター」
やっぱりそうだ、最近ご無沙汰していたがたまにお世話になっていた『ナビ』だ。
話したことがあるって事はこういう事だったのか。
「ソウちゃん、何でナビの声を?」
「アルケー達全員がマスターに劣情を抱いているのを視まして、興味本位で『ナビ』の声になってみたんです」
「興味本位でスキルの声に···」
「私って一番偉くて強いですからなんでもできるんですよ?えっへん!」
ソウちゃんは胸を張って息を吐いた。
「でもこうして会ってみると普通の可愛い女の子にしか見えないんだよな」
「か、可愛いですか?えへへ」
やっぱりそうだ、可愛い女の子だわ。
「···///···こほん、ではそろそろ本題に移りましょう私がマスターを呼んだのはこのことを話したいからなのです。ここからは『ソウちゃん』ではなく『全てを創った存在』としてのお話です」
「は、はい」
なにせ世界最高の存在からの話だ、何か重大なことに違いない。
久しぶりに緊張しながら話をきいた。
「あなた自身の正体についてです」
「正体?意味が分からないのですが」
「ぶっちゃけて正体をいうと、有村明治、あなたは特異点と呼ばれる存在なのです」
「特異点?」
「特異点、それは全てを受け入れることができる存在と言われています」
「受け入れる?」
「自覚はありませんか?例えばあなたは地球で死ぬと感じた時も冷静にいましたね? 更には
あなたは女神たちの寵愛を受けていましたね?」
「それがどうしたのですか?」
「本来ならば加護や寵愛を受けられるのには制限があるんです。魂の容量。人にはそれぞれ魂が存在します。その魂の容量も様々です。女神に加護を授けられている人々は加護を授けられているだけの魂の容量を持っているという証なのです」
「俺が特異点だから加護を好きなだけ受け取れるとか?」
「そうです」
よく分かんないけど俺は特異点というやつらしい。
「俺が特異点って事で何があるのでしょうか?」
「?特に有りませんけど?」
「えっ?」
「強いて言えばちょっとした祭り?の様なものに出て欲しいぐらいですね」
「これを伝えるのに何がか意味があったんですか?」
「···?マスターとお話するための口実ですが?」
「別にソウちゃんなら暇な時に何時でも遊びに来るけどな」
「ホントですか?ありがとうございます!マスター!」
どうやらソウちゃんは俺と話したかったらしい、これから存分に話すとするか。
ソウちゃんのバストステータスは『可変』です。
何時もは楽なので大きすぎず小さすぎない中ぐらいになってます。