~神界にて~
「って事があったから神界へ行ってみようと思う、キョウには悪いけど留守番頼めるか?」
「了解どす~」
「そのかわりといっちゃ何だけどこの魔道具置いていくから」
俺は魔法陣の書かれたスクロールをキョウに渡す。
「これは自分が望んだものを作ることが出来る魔法陣でな【創造】のスキルを書き込んである、欲しいものを望んで魔力を注ぎ込むとそれが創造されるからな」
「!!?ありがとうございます!」
想像以上の物だったので、キョウも驚いて口調が変わっていた。
「よし、じゃあ行くからな【ワープ】 神界」
俺達の視界は切り替わった。
·········
······
···
一方こちらは神界、普段生活している亜神達はいつもと違う様子に困惑している。
ここは神界にある門、新たな神々が神界に訪れる時に現れる場所だ。
何せ五大女神が全員門へと揃っているのだ。
更に創造神の1人、アルケーもこの場にいるのだ。
「創造神様!本日は1体何が有るのですか!」
ある亜神がアルケーに聞いた。
女神達と創造神が同じ所に集まるなんてありえない事だ。
普段は女神1人でさえ会うことは難しい筈なのに、創造神なんて大きな祭り事でもない限り見ることが出来ない存在だ。
「妾達の大切な人を迎えるためじゃ」
「大切な人···?ですか?」
「正確に言うと亜神じゃがなそろそろ来るはずじゃが···」
その時、門の下にある魔法陣が輝き出した···
·········
······
···
視界が変わった先は物凄く豪華な門だ。
夢の中と同じように地面は雲だった。
周りには大勢の人と動物達がいた。
そうか、別に亜神は人に限った事じゃない、動物達でも亜神にはなれるのか。
「「「「「「メイジっ!」」」」」」
俺の可愛い恋人達が出迎えてくれていた。
俺の後ろには亜神でありメイドのロゼ、そしてメイド姿のグリモとエクスがいる。
「···何でこんなに人だかりが出来てるの···?」
「妾達が集まって来ていたからじゃの」
「···?アルケーはともかく、アメリア達ってそんなに偉かったの···?」
「むっ!私達って偉いんですよ!神界で女神は私達5人しかいません!」
「···私達は五大女神って呼ばれてる···」
「縁談だって凄いんだからねぇ~」
「主にアメリアだけど」
「えっ···う、受けたりしてないよね···」
「「「「「当たり前でしょ」」」」」
「よ、良かった···」
「こ、恋人として当たり前よっ!」
マアトがそう言った瞬間、周りの亜神達がザワつき始めた。
『マアト様と恋人···?』とか、『俺達のマアト様が···』とか聞こえてくるぞ···?
「えっ···?もしかしてアルケー達と恋人って不味かった···?」
「何を今更ですか!神界は結婚は自由ですから!て言うかそもそも私達はメイジさんじゃ無いと嫌です!」
俺の恋人達がコクコクと頷いている。
あーあ、アメリアの一言で更にザワつき始めたじゃないか···。
「それに女神との結婚が許される亜神の格は神が50%以上ですから。ここにいる亜神の方々でも少ないので2%、多いので20%位ですからね」
「ふーん、もしかして実は俺と結婚する為に寵愛くれたとか······いや、それは自惚れすぎか···!」
皆図星とばかりに明後日の方向を向いている。
「本当にこの人達って女神なのかしら···」
エクスは呆れているようだ、かく言う俺もそうだが。
「皆ご主人様に一途なのです!」
可愛い。
「まあ何時までもここで立ち話は難じゃからの、観光と行くかの」
「神界かぁ、楽しみだな」
こうしてメイジ達は神界の町へと足を運んだ。
今の騒動で、神界の七大美女の6人と恋人という情報が神界を駆け巡っていた。
メイジはこの情報で男の亜神九割をショックに陥れることを知らなかった···。
旅行で温泉に感化されましたので急遽神界で温泉回を予定しています。




