閑話~とあるツンデレカリバー~
私はいつも退屈していた。
天使の城に封印されてからというもの、やる事が全くない。
私は剣だが意思を持っている。
剣は相手を斬るという事しか出来ない道具でしかない。
偶に人になりたいと思う事があった。
私を抜こうとして日々挑戦してくる人々たち。
────残念、私は見合う相手でない限り抜けないのよ。
最初はそう思うだけだった。
しかし毎日やって来る挑戦者達を見てふと思ったのだ。
────人になって見たいと。
そしてその願いは唐突に叶えられることになる。
とある日。
今日は珍しい事に挑戦者が1人も来なかったので退屈していた。
────久しぶりね、こんなこと、今日は何かあるのかしら
そんな事を考えていると突如魔法陣が現れたかと思うと、視点はとある部屋の中に移動していた。
「綺麗なのです!」
「【神眼】」
どうやら転移?させたのはこの青年らしい。
私を転移させるだけの力を持っているの···?
その青年は私を掴んできた。
────貴方が私の使用者?
「あぁ、宜しくなエクスカリバー」
────ふん、まだ認めた訳じゃ無いから、ちょっと貴方のステータス読ませて貰うわよ?
「あぁ」
素性も知らない奴に使われては溜まったもんではない、私はいつもの様にステータスをかくに···!?
な、何なのこのステータス!?
────······ふ、ふん。合格としてあげましょう
「そうか、宜しくな、因みにそこにいるのは君と同じ剣のグリモカリバーだ仲良くしろよ?」
────へ?あの娘が?どう見ても人じゃないの
「俺のスキルで人化したんだよ、今からエクスカリバーにも人化してもらうからな」
────本当!私やってみたいことが······こほん、いいわやって
ひ、人になれるの!?本当に!?えへへ、人になれたらお風呂に入ってみたいな···。
「分かった、【擬人化】」
私の体がメイド服を着た人になる。
「これが、私···」
本当に人になれるなんて!この人は何て凄い人なんだろう、よく見たらカッコイイじゃない···、ま、まぁ主としては100点中5000点上げてもいいかもね。
「こんにちはなのですよ!私はグリモカリバーなのです!よろしくお願いするのです!エクスカリバー!」
「貴方が魔剣グリモカリバー?とてもそうには見えないけど···、宜しく」
こうしてエクスカリバー改め、エクスのメイジの従者として、剣として過ごしていくのだった。
────大好きです!ご主人様!
普段は絶対に口にしない思いを秘めたまま────
次章【神界】編