~原因~
「それはその……」
「どうしてそんな動揺しているのか?」
「ど、動揺……しているように見えますか?」
やはり表情がとても緊張しているように見える。
「どう表現していいかわからないから"動揺"と伝えたが、そのメイジという存在について話すときに普段と違うな」
「……うぅ……」
「……それは悪い事なのか?」
「え!?いや、悪くないです。絶対に悪いことではないです!」
「ならいいではないか」
「そうですね……はぁ……」
………
……
…
side メイジ
「ちょっと!私がマスターと出会ったばっかりの頃の話をしないでください!」
ソウちゃんがアザトースの方を向いて顔を赤らめながら抗議している。確かに裏で話していたことを当の本人に聞かれていてはたまったもんじゃない。
「だから僕は全能神をここまでにした君に興味があってここに呼んだんだ」
「ちょっと、無視しないでください」
「ほら、挙動不審だろう」
「うーん、あんまり変わりない気がしますけど」
「君の前ではいつもこんな感じなのか?」
「基本的にいつもポワポワしてますね」
「もう!からかわないでくださいって!」
………
……
…
「ということで僕はただ君をここに呼びたかっただけなんだよ」
「なるほど」
うーん、現状何か危険なことをやろうとしているわけではないという事ですかね?
「そこで僕はなんとかして君と話したいと思って頑張ったんだよ」
うん?頑張った……?流れ変わったな……。
「とりあえず久しぶりに力を行使して架空の任務を神達に与えたんだ」
「か、架空のですか」
「そう、内容は君を連れてくるという事だけ伝えたつもりなんだが……」
「なんだが……?」
「なぜかそれが曲解して伝わってしまってな……結果的に神達が敵対して誘拐……なんて大事になってしまった」
いやどういうことやねん。