~パーティ当日~
そして迎えたパーティ当日。
今はパーティ会場の待機室に居る。
ここにはアイリス姫と俺達一行、グリモとエクスは剣にしてある。
ロゼはいつものメイド服、キョウもいつもの着物を着ている。
かく言う俺は黒いタキシードを着させられた。
周りにいる騎士たちは相変わらず俺達(主に俺)を敵視している様だ。
あの1戦から大々的に敵視して来る輩はいなくなったが。
「姫様、そろそろです」
一人の騎士が迎えに来た。
「はい、ではメイジさん、宜しくお願いしますね?」
「お任せ下さい」
「ご主人様の期待に答えます」
「護衛しはるよ」
パーティ会場の扉が開かれる。
「おお、主役の登場だ」「お美しい···」「護衛についているのはまさか···」「あぁ『万能』だ」「他の2人も『万能』の仲間か?」
おぉ、俺達のことについても噂されてるな。
そんな事を考えているうちに1組ごとにこちらに挨拶に来た。
「この度は成人、おめでとうございます」
「ありがとうございますヴェルグランデ公爵」
「そして『万能』殿、お会いできて光栄です、お連れの2人もお美しい」
「こちらこそ公爵様、お会いできて光栄です」
·········
······
···
挨拶が始まってから1時間が経った。
挨拶については俺は当たり障りのない受け答えをした。
年頃の貴族や貴族の子息はアイシス、ロゼ、キョウに目を奪われていた。
キョウには妾の誘いが。
ロゼには妾兼使用人の誘いが引っ切り無しに来た。
当然全て断ったが。
『メイジさんの周りっていつも美人ばっかりですね』
そうだなぁ、アメリア・アルケー・ウラヌス・マナ・マアト・アフラク・シューン・ロゼ・キョウは皆美人だなぁ。
あ、グリモとエクスは可愛い枠ね。
『『『『『『『『ありがとう(ございます)!』』』』』』』』
おお、念話組が一斉にお礼を言ってきた。
『『か、可愛い(のです)···』』
かわいい。
「アイシスちゃん!メイジ様っ!」
ん?この声は···
「セシリーちゃん!」
変 態 襲 来
「あぁっメイジ様今度また会合に!」
「行かんぞ」
「くぅっ!そんな言葉も御褒美です!」
相変わらず変態だな!
「セシリーちゃん、興奮してるね!」
「ハァ···ハァ···今度たっぷりメイジ様の魅力をレクチャーします!五時間ほど!」
「はい!楽しみにしますね!」
やめてくれよ···
「私はまだ挨拶回りがあるのでこれで!今度こそ私の全てをもらってもらいますよ!メイジ様!」
だからいらないって···。
·········
······
···
「では姫様のお言葉です」
アイシス姫が舞台の壇上に立った。
アイシスは一人で舞台に上がっており、護衛の俺たちは下がっている。
「皆さん今日は私の為にお集まりいただき────」
アイシスの挨拶が始まる。
この場のほぼ全員がアイシスに注目する。
ヒュッ
音が木霊する。
その音源はまっすぐとアイシスに向かって行った。
どうやら飛んでいるのは矢のようだ。
俺は矢の進行方向に転移し、その矢を掴んだ。
「【気配察知】」
いた、あそこだ、料理の配膳をしているウエイターの一人、弓を持っていた。
そのウエイターは後ろを向いて、逃走を図る。
俺はグリモとエクスを抜く。
「【狙撃】【手加減】」
狙撃スキルを使用しグリモとエクスをそれぞれ、襲撃犯の腕に向かって投擲する。
ザシュッ
ふた振りの剣は襲撃犯の腕に突き刺さった。
その威力はとても抑えられているが、襲撃犯のバランスを崩すのには十分で、襲撃犯はうつ伏せに倒れる。
倒れるとともに、グリモカリバーとエクスカリバーは地面に突き刺さり、襲撃犯の体を地面に縫い付けた。
「ロゼ!キョウ!他の襲撃犯がいないか探せ!」
「了解しました」
「了解どす」
ロゼとキョウの姿がその場から掻っ切える。
キャァァァァァァァ!!
貴族の一人が声を上げる。
それもその筈、今のはいわゆる(この間0.1秒)というやつだ。(今回は3秒程だが)
襲撃犯は射った瞬間逃走を図っていたようだが。
『姫様を守れ!』『お守りせよ!』『隊列を組むのだ!』
騎士達がアイシス王女を中心に隊列を組み始める。
ってか俺がいなきゃ姫死んでたんじゃね?
「騎士の一人は騎士団へ通達しろ!貴族様の安全を確保するのだ!」
まぁそっちは任せておくか。
俺は襲撃犯の様子を見に行くとしよう。
襲撃犯の元に歩み寄る。
襲撃犯は痛みに悶え苦しんでいるようだった。
「お前ぇ!!この剣をぬけぇ!」
うるさいな、後で拷問でもしてもらって洗いざらい吐いてもらうか。
「寝てろ【催眠】」
「なん────」
襲撃犯はそのまま眠ってしまった。
俺はグリモとエクスを回収する。
「【洗浄】」
『綺麗なのです~』
『最近剣として扱われてないような···』
「さーて、こういう奴には自決用の毒でも仕込んであるだろうな」
ふふ、数多のラノベを読みあさってきた俺に死角はないのだ。
「【サーチ】毒物」
襲撃犯の奥歯から反応があった。
まぁ、奥歯に仕込むのは定石だな。
「姫様!ご無事ですか!」
パーティの扉を勢い良く、開かれた。
そこにいたのはこの国の騎士団長のアゼルさんと多くの騎士だった。
「メイジ君!その者は!」
「こいつが襲撃犯です、奥歯のとこに毒仕込んでるんで取っておいて下さい」
「分かった、後は任せよ、姫様の護衛を続行してくれ」
「分かりました、お任せします」
騎士達がアゼルさんの指示で一斉に動き出した。
これで俺は一旦お役御免かな?
こうして俺は面倒なことに巻き込まれたのだった
水着ネロ様ほちい···(´・ω・`)
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