~2度目の王都へ~
今回、会話多めです|д゜)
「よし、行くぞ!」
「はい」
「行くのです!」
「ご飯のために働かないとね」
「行きますぇ」
屋敷のリビングでメイジ一家が一同に介する。
今日は王都に第二王女の護衛クエストに向かうことにした。
ロゼとキョウにもついて来てもらうことにしている。
人手があった方が護衛も安全だろう。
「じゃあ行くぞ【ワープ】!」
視点が一瞬で切り替わる。
「ここは城の門か?」
切り替わった先にあったのは人族の城の門。
いきなり現れた俺たちに対し門番達は驚き、持っていた槍をこちらに向けてきた。
「な、何者だ!他国の間者か!?」
「あーまてまて、俺はこういうもんだ」
Sランク冒険者のギルドカードを門番たちに見せる。
「これは···『万能』のメイジ様!?失礼しました!」
その後、取り次いでもらい、謁見することになった。
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······
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「今回の護衛クエスト、受けてくれて感謝するぞ『万能』」
「はい」
「もう敬語は良いぞ、普通なら私が敬語を話す立場なのだし、メイジは私の恩人なのだからな」
「そうか、分かった女王様」
「それで···四人ほど増えておるようだが?」
「それは···カクカクシカジカ ヤジュヤジュイクイク」
「なんと···魔剣グrモカリバーに聖剣エクスカリバーに精霊の神祖に三大魔物の従魔だと!!」
「理解できるのね···」
その後は四種族祭から今日までの出来事を話した。
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······
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「エクスカリバーとグリモカリバーは人化させた」
「人化!?剣を人にしたのか?」
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「虹色の髪だと···」
「あ、彼女亜神です」
「亜神!?」
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「三大魔物と言ったが、種族は狐か?」
「九尾狐らしいよ」
「それは大樹林にいたというあの伝説の妖狐か···」
「へぇ···キョウって伝説の魔物だったんだな」
「あそこは獣臭くてかなんわ、今の生活の方が何百倍もええ」
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······
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「そろそろ仕事の話にするとしよう、二日後我がアイリスの16歳の誕生日パーティが開催される。今回はアイリスが成人するのもあって盛大に多くの貴族を招待している」
「そのパーティの間、護衛を務めるんだな」
「うん、アイリスには常に騎士がいるが今回のパーティにはちと不安でな、それで雇うことにした」
「分かった、グリモとエクスは剣がいいか?人でも今回は飯は食えなさそうだぞ?」
「私たちは剣でいいわ」
「いいのです!」
「ロゼとキョウは俺と一緒にいてくれ」
「はい」
「了解どす」
その後もっと詳しくクエストについて話した。
明日、第二王女と面会し、他の騎士と連携をとること。
護衛中は片時も離れないこと。
ダンスは王女の許可があった場合、メイジたち三人の最低一人をおいてしてもいい。
王女護衛の騎士には少々問題があるが、なんとかしてほしいと言うこと。
宿は四種族祭と同じところをとってあると言うこと。
王女は『絶世の歌姫』と呼ばれており、とても綺麗なので変な気を起こすなと言うこと。
「ホントに変な気を起こさないでね···前科持ちだからね···」
「分かってるよ···」
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次の日、王女と謁見するため城の一室の扉の前に来ていた。
案内してくれたちょっと豪華な鎧を着ている騎士が扉を叩いた。
「メイジ様一行が参りました」
「入ってください」
俺たちは扉を開け、中に入った。
扉の中は大きめの応接室のようで、中には案内してくれた騎士と同じような鎧を来た騎士たちがズラリと部屋の周りにいた。
「お待ちしておりました『万能』様!」
白いドレスを着た、黒い髪を黄色のリボンでポニーテールにしている少女がこちらに駆け寄ってきた。
「あなたがアイシス=インペリアル王女殿下ですか?」
「はい!お姉様を助けていただきありがとうございました!メイジ様の噂は聞いております!」
お姉さま···?
『元々イリアス女王は第一王女で18歳の時に即位したんですよ』
へぇ、18歳で一国の王になるのか、大変だったろうな。
「セシリーちゃんからも聞いてますよ!『私の全てを捧げたい御方です』と!」
あの変態聖女め、お前の全ては主に貞操だろ。
貰わないからな。
「はは···光栄です」
「それでメイジ様、少しお願いがあるのですが···」
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「お前に姫様の近くに居させる訳にはいかない!」
一同は兵士の訓練場に集まった。
アイシス王女の一番近くにいた騎士が実力を見極めると言ってきたのだ。
こいつが問題のある騎士か、過保護気味だな。
「ご主人様、本気はおやめください!」
「やっちゃっておくれやす」
『ワンパンですね!』
「メイジ様!頑張ってください!···あ、あとペンスも!」
黄色い声援が俺を応援してくれている。
あとこいつはペンスと言うのか。
「ありがとうございます!姫様!」
それでいいのか、ほとんどついでで言われたようなもんだぞ。
さらに図太い声援が飛んでくる。
『姫様に悪い虫を近づけさせるな!』『ペンス護衛隊長!やっちゃってください!』『女ばっかり連れてる奴が姫様に何をするか分かったもんじゃねえ!』
「行くぞ!ウオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!」
ペンスが派手な装飾が付いた剣を振りかぶって突撃してくる。
行くぞグリモ、エクス、手加減しろよ?
『『大丈夫 (なのです)』』
俺はエクスとグリモを鞘から抜いた。
『あの剣は···』『黒い剣はグリモカリバーに酷似しているな』『金色の剣はエクスカリバーでないか?』
『欲しい···』
やらん、絶対にだ。
俺は一瞬で加速し、二つの剣でペンスの剣を一閃した。
「へっ!?」
剣は真っ二つになり落ちたあと、腐敗して崩れてしまった。
「流石ご主人様です!」
「かっこええわぁ~」
『はぁ···いつ見てもかっこいいです···』
「スゴイですね···」
こうして俺は護衛クエストを開始した。