~エース対エース~
side ハスター
「メイジに会いにいこーっと!」
音速を超える速度で移動し、敵を殲滅するハスター。撃墜数は他の二柱の邪神よりも多い。しかしハスターは変わらない機体を潰すのには飽きたのか急遽進路を変更し、旗艦の方向へと転身する。
『……やらせない』
「む?」
一機の違うカラーの機体、それが正面から突っ込んで……そして衝突。これまでより一際大きい爆発がハスターの体を包む。
「むぅ、ニャルから聞いていた敵のエース機体かの?」
しかし明らかに機体は爆発し確実に中の人物も死んでいる、生命反応は無い。
「ちょっと人間相手にやりすぎた?」
なんだ、ニャルに警戒しろって言われてたけどそうでもなかったのかな?地球の科学力進んでる人間たちだったけど拍子抜け……うん?
「……油断禁物」
「おっと?」
爆発の煙の中からビームのようなものが飛び出し、ハスターの頬を捉える。
「む?ビーム……いや魔法か?」
「……魔法ビーム……強いよ」
「ふーん、そういう事ね」
煙が晴れ、見覚えのある髪色の人影が現れた。
「……私なら……足止めできる」
「まぁ、神なら殺すことは無理でも無力化ぐらいなら出来るかもね」
「……うん」
「……なんか君無口だね」
「……私……止める……メイジ……守る」
「……ロボットじゃん」
「うるさい、メイジは渡さない」
………
……
…
side クトゥルフ
「海で~いあいあ~」
こちらはクトゥルフ、現在とってもくつろいでいます。戦闘中とは思えないぐらいののほほんとした空気が流れている……クトゥルフの周りでは。
ルルイエの中には多くの機体がクトゥルフの配下によって破壊されており、中では死屍累々の状況である。
「余所見してんじゃないわよ?」
そんなクトゥルフの近くに
「はら?」
クトゥルフのゆるゆるの顔に一発拳が叩き込まれる。
「あ、痛いです」
驚いたクトゥルフは触手を人影に伸ばすが咄嗟の一撃は動きが鈍かったのか、人影はギリギリでそれを交わす。
「あら」
「ちょっと、油断しすぎじゃないの?」
「いや、久し振りの実家でぬくぬくしてました」
「そんなんでメイジ奪還する気あるの?」
「大丈夫です、他の誰かが攫ってきた所を持ち逃げしますので」
「あなた、意外と卑怯なのね」
「あら?貴方がメイジさん連れてきてくれれば少しなら一緒にいることを許しますよ?」
「なに言ってんのよ……連れてくるなら私一人で独り占めするに決まってるんですけど!」
「む、相容れない」
「上の格だからって!負けるわけにはいかないのよ!」




