閑話~最近影の薄いかもしれない全能神との旅行、温泉街編part1~
最近作者が就職前の旅行に憧れて衝動で執筆してます、本編が難産過ぎた時などにきままに投稿します。
「旅行です」
「はい?」
「旅行なんです」
「ソウちゃんは旅行だったのか」
「そうですよ、この世の全ては私が創り出したので私は旅行と言っても過言ではありません」
「ほう」
「なのでマスターは私と旅行に行かざるを得ません、これは世界の心理です」
「いきなりぶっ飛んでるね」
「はい、こうして話している間にも温泉街に移動してしまっているほどにぶっ飛んでますよ」
「え」
辺りには立ち上る温泉の煙、行き交う人々、これでもかという程漂う硫黄の香り。ここはまさしく温泉街、久し振りに訪れた気がします。
「と、思いましたが」
「……え?」
ここで視点が一気に切り替わる。
「旅というのは向かう途中も乙なものという知識があります」
「旅行に行くときの車とかってワクワクするよね」
「ということで、車・飛行機・電車・新幹線・歩き、私と一緒に良くならどれがいいですか?」
「じゃあ特急とかで駅弁食べたい」
………
……
…
今回半強制的に仕組まれた旅の筋書きはこれだ、東京駅から特急で、硫黄の香りがする温泉街に向けて出発する。現在の日本で俺の顔は子供から大人までほとんどの人が知っているらしく、デートが困難になるためソウちゃんが程よい認識阻害をかけるらしい。
「俺はかきめしにしたけどソウちゃんは何にするの?」
現在東京駅構内、正直上の案内見なかったら迷う気がします。
「んー、この新幹線の形の可愛い奴にします」
「それだと、量足りないんじゃないの?」
「うーん元々私食べる必要ありませんし、あ、マスターがお求めなら私の本体を食事が必要な体にしましょうか?」
「いや、なんか世界に影響及ぼしそうだから大丈夫です」
「流石マスター、私が食事必須になったら神全員が自動的に食事必須な体になります。まぁ私が法なので強制できますけどね」
こうして無事駅弁をGETした二人は意気揚々に列車へと足を運ぶのだった。