~危機的状況~
side 旗艦ヴェンジェンス 指令室
「どうしようもない状況に陥りそうだ」
こちらに向かってくる三つの大きな反応。明らかに邪神級の力の三柱がこちらに向かってくる。
『おそらく旧支配者三柱だと推測されます』
「さっき敗走したニャルが戻ってきたのか?それに他の二柱……」
何とも諦めが悪い神なのだろうか。それも二柱の別の邪神を連れて来た、疫病神め。
ゴッドスリーを投入したとしても退けられるか分からないぐらいの戦力。このまま正面切って戦えば敗北は必至であろう。
旧支配者なら他の二柱はクトゥルフとハスター。惑星を余裕で破壊できる力を持った二柱。単純な権能で見ればニャルと二柱は同等だが、その使い方で見れば一番厄介なのがニャルだ。本気をだしたニャルは残虐非道な手で敵を殲滅しにかかる。人型の姿で来てくれるならまだいいが、怪物の姿で向かってこられればたまったものじゃない。
なんとしてもワープを実施しなければいけない。
「ワープまでのエネルギー充填までどれくらいだ」
『現在65%、残り約30分です』
奴らがここにたどりつくのは後10分。奴らと20分の戦闘が必要なのか。電子戦機のみでは難しいだろう、恐らく有人戦闘機も出撃させる。ゴッドスリーが一対一でどれだけ持ちこたえられるか。
ワープの方式として、ワープ機能が備わっている艦が前方にワープゲートを開く必要がある。すべての艦がワープ機能を備えているわけではなく、この艦隊で備えているのは旗艦と特別にゴッドスリーの戦闘機に備え付けされている。ワープ機能を有していない艦が先に突入し、最後にワープ機能を有している艦がワープする。
ワープするメリットは短い時間で光速を超えるスピードで航行できる。デメリットはワープするまでに時間が掛かる事、ワープ機能を有している艦が最後まで残る事。
『ゴッドスリー、旧支配者三柱が相手だ、いけるか?』
『なんとかするしかないじゃない』
『勝つのは難しいと思うわよ』
『……苦しい戦いになる』
幸い三柱は配下は連れてきてはいない、こちらは数で押すしかない。
「また犠牲が出る事になりそうだ」
………
……
…
side 旧支配者組
「ひっさしぶりに本気だしちゃいましょーっと!」
「戦争だ!ストレス解消しちゃお!」
「軟体動物パワー、見せてやります」
戦闘開始まで……あと十分。