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女神の恋人  作者: おうどん(きしめん)
第3章【エルフの森】
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~プレゼント?~

ロゼが蝶を討伐してからエルフ達との宴会になった。

エルフの研究者達も蝶が原因だとは思っておらず調査は難航していたらしい。

まあ亜神でもなければ神力を感知するのは無理だから仕方がないね。


宴会は宮殿のパーティ会場内で行われた。

エルフと言うこともあって、みんな長命で容姿も成人からあまり変わらないらしい。

確かに、宴に来ていたエルフ達は皆、見た目は20代前半ぐらいだったし。

見た目からじゃ年齢は判別つかないな。


「ご主人様、アルコール度数が低いお酒と料理をお持ちしました」


かくいう俺は先程からエルフの貴族達から挨拶責めにあっている。

ひっきりなしに挨拶に来るので、ロゼに飲み物と食べ物を持ってきて貰うように頼んだのだ。


ロゼの周りには宴に来ていたエルフ達と契約している精霊たちが漂っている。

流石神祖ってわけだな。


「ありがとう、ってロゼ精霊がすごいな、流石神祖だな」

「ありがとうございます」


やっべ!神祖って言っちゃったじゃん!

あぁ、それを聞いたのか周りがザワザワし始めちゃったし。


ロゼが俺の前に立ち、こう言った。


「私は精霊の神祖、ロゼと申します。この度ご主人様と契約を結びました。ご主人様に危害を加える輩には私が直接精霊の呪いをかけますのでご了承ください」


ぶっこんできたーーー!?

とんだ爆弾発言だよ!?

さっきより周囲のザワつきすごいしさぁ!

本人は『いってやったぜ』みたいなスッキリした表情だし!


「ご主人様!あーんなのです!」


空気を読まずに天使が寿司を差し出してくる。

って寿司ぃ!?

なんでここに寿司があるの!?

俺は間髪入れずにそれに齧り付く。

ネタは…なんだこれ、サーモンとマグロを混ぜたような?びみょーな味だ。


転移者が広めたのだろう。

俺は他の転移者が勝手に内政チートするのを傍観してるのでいいな。



………

……



日は変わって次の日。

俺とメイド三人組は宮殿の城下町に繰り出していた。


「今日はお前達に日用品と今回の騒動のお礼としてプレゼントを買いに行くぞ」

「「プレゼント!?」」

「恐縮です」


メイド三人はやはり目立つのかどこにいても視線がこちらに集まる。

しかも2人は美少女で1人は虹色の髪を持つ美女だ。

目立たないわけがない。


「君たち、そんな冴えない奴より、僕の使用人にならないかい?」

「ご主人様、こいつ殺して良いですか?」

「キモイ」

「こっちにくるなです」

「ギャウッ」


ナンパしてきたイケメンエルフはその言葉にダメージを受けたのか、泣きながら走り去って行った。


「ご愁傷さまです」


ナンパしてきた君が悪いんだ、悪く思うなよ。


「なんて美しい女性達、私にこそ相応しい」

「は?これは俺の女だ、手を出せると思うなよ?ゴミ」

「!!キサマ!俺がエーデル伯爵家の長男だぞ!貴様ごときの平民が指図出来ると思うな!さっさとその女どもを寄越せ!」


ブチッ


こいつはもう許せない、公開処刑だ。

何か護衛騎士見たいのもいるけどどうでもいいや。


「お前達は手を出すなよ、こいつは俺がやる」

「はっ!平民如きが勝てるとでも思ってるのか?俺は精霊使いだぞ?」

「知らねえよ、とりあえず眠って?」


相当手加減して腹パンする。


「ブボォッ!」


気絶したゴミにとあるスキルを掛けてからその場を立ち去った。






「さっきの奴には何したの?」

「あぁ、時間制限でオカマにする様に『洗脳』した、後で思い出して悶絶するだろ」

「まぁご主人様がスッキリしてるなら良いけどね」

「さぁ気を取り直して4人でデートを再開するぞ!」

「これってデートだったのね···」


その後も順調にナンパされました。

美女とデートするのも辛いな。

皆節操が無さすぎるだろ。

俺は人のこと言えなさそうだけどな。


途中の店でグリモには白いリボン、エクスには黒いリボンを買った。

リボンを着けている2人を見て俺は思う。


────天使はここにいた





次にロゼへのプレゼントだが···


「ロゼ、何か欲しいものはあるか?」

「ご主人様から頂けるものならどれでも構いません」


うーん、ロゼが欲しいのなんて分からないぞ?


「···それなら夜伽を任せては貰えませんでしょうか?」


ファッ!?夜伽?


「いや、神力はスキルを使えば渡せるぞ?」

「いえ、神力の譲渡ではなく、私がご主人様と一夜を共にしたいのです」

「···分かった、それが俺からのプレゼントでいいんだな?」

「はい、出来れば今夜は私だけで···」

「ロゼが良いならそうする」

「有り難き幸せ」


まさか夜伽を求めてくるなんて思ってもみなかった。


「その、本当に俺で良いのか?」

「ご主人様だからです、いえ、ご主人様がいいんです」


ロゼは一瞬はにかむ様な笑顔でそう言った。


···可愛いな


「分かった、精一杯やるからな」

「···はい」





その日の夜はロゼの希望通り、愛し合った。





エルフ編はこれで一旦終了になります。

閑話を挟んでから次章になります。

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