~アルケーの婚約大作戦!part75 ~
side リナ
「ん~回復していく感覚、素晴らしいですねぇ!」
また魔力が回復していく。と、ここで私はとあることに気が付いた。回復の際、敵はこちらに向けて攻撃を仕掛けてこない。
回復する感覚に酔っているのか、それともただの余裕なのか。なんにせよ動いてないのなら隙があるという事に相違は無い。
今も顔を赤らめながら、回復をしている。
「今!」
「ん~?」
リナがセシリアに向かって真っすぐ駆け寄っていく。それを見てセシリアは驚き反応しようとするが、体が動かない。
「どりゃぁ!」
「ぎゃん!」
リナは動かないセシリアの懐まで飛び込み、拳を振りぬいた。リナの放った拳は、セシリアの鳩尾を捉え、セシリアの体を吹飛ばす。
「田舎娘を舐めないでください」
昔は殴り合いの喧嘩とかしてたんですからね!
リナに殴り飛ばされたセシリアは、数回跳ねた後に、体制を立て直す。
「ちょっと!これはプリキュ◯の変身シーンを妨害したくらいの罪深さですよ!」
「プリキ◯アが何かは分かりませんが、戦いにルールなんてないんですよ?」
「それでもプリキュ◯の変身シーンは駄目でしょうが!」
セシリアはリナにとびかかり、拳を放ってくる。反射的に手をクロスさせ、防御を図る。
「肉対戦なら得意ですよ!メイジさん相手にずっこんばっこんする特訓してましたからねぇ!」
「私も負けるつもりはありませんよ」
なんにせよ、あの厄介な石化ビームは打たなくなった、それなら勝算はある。
メイジ様の貞操は守って見せる。
………
……
…
side メイジ
ドカン!バシッ!
先程までは不穏な会話とか魔法の音とか響いてたけど、先程から打撃音とかが響いてくる。リナさん、大丈夫なのか?
『め、メイジざぁ~ん』
アメリアの鳴き声が頭に響いてくる。アメリア!助けてくれ!
『目の前でニャルさんとアマテラスとアルケーがすんごいバトルしてて……私じゃ止められなくて……』
うそやん、というかニャル、二人とはりあえるほどに強いってマジですか。これ、本格的にまずい展開になってきたんじゃないんですか?
本当にリナさん頼みになってしまうやつだこれ。