~アルケーの婚約大作戦!part64 ~
「ねぇ聞こえてますか?」「気持ちいいですか?」
あかん、これは非常にあかん。口調が関西弁になるくらいにはヤバイで。
「今、あなたの右側にいるのが、私ですよ、お兄ちゃん」「左側にいるのがお姉ちゃんですよ、弟クン」
このペアは、姉と妹のペアの設定のようで、このストーリーでは血の繋がっている二人に真ん中の主人公(俺)が板挟み!?のような感じだ。
「なんで昨日は一緒にお風呂に入ってくれなかったんですか!」
と妹。弟と妹が風呂に入るのって相当小っちゃい頃なんじゃないですか?
「あら、昨日は私の番だったからに決まってるじゃないの?」
と、姉。この世界線は普通に姉妹と風呂に入るようです。いや、俺が一人っ子だから知らないだけ?世の中の姉妹たちは皆一緒にお風呂入るの?いや、そんなアニメみたいな事あり得る事が無い。
「だから三人で一緒に入ろうって言ったじゃないですか!」
「そうしたら弟君を独り占めできないじゃないのよー」
目の前で姉と妹の喧嘩が始まった。彼女たちには彼女たちのシナリオがあるため、止めたり介入はできない。というかASMRは聞くだけだし演技するだけだし。
「わ、私の方がお兄ちゃん好きだもん!」「あら?私だって負けないわよ?」
「だ、大好き!」「好き」
この後、色々なバリエーション『好き』を時間制限いっぱいまで聞きました。姉も妹もいない俺にとってはとっても新鮮だったよ。
………
……
…
(ド級変態聖女視点)
時間軸は少し前。
「だから駄目ですって!」
只今絶賛打合せ中なのですが……、今回のペアの子はなかなかに強情ですね。委員長気質というか……正々堂々戦う気満々な感じっていうか……。
「真面目にちゃんとやるだけじゃ目立てませんよ?」
「悪目立ちでは点数になりませんよ!」
正論パンチ!痛い!痛いですよ!しかしこのままじゃいけませんね。どんな演技内容にするかの話が全くまとまりません。時間が足りなくなりそうですね。
うん、これは仕方ない。仕方無いですねぇ。
「てれれれれれれれ♪」
「ちょ、いきなりどうしたんですか?狂ったですか?もともと狂ったようなもんですけど」
「テッテレー♪ニャル様印のよくわからんおくすりー!」
セシリーは懐から、ピンク色の液体の入った試験管を取り出した。
「効果てきめん!とりゃぁぁぁぁ!」
「んぐぶぶぶぶぶぶぅぅぅぅ!!!!????」
眼の、色が、変わった。
よし。
私は諦めませんよ。
貰ってもらいますからね♡




