~アルケーの婚約大作戦!part47 ~
side ニャル
京都の町なみを二人並んで歩く。二人とも草履をはいている為、いつもより歩くスピードは遅い。
「ちょ、ちょっと慣れないですね。この草履っていうヤツ」
よくアマテラスとかが履いているのを見るけど、あんなに早く走れるなんてすごくないですか?足とか痛くないんですかね?
「ニャル、歩きづらそうだけど大丈夫?」
「え?えっと少しは、まぁ」
そして、私が平常心でないことを自覚している。これでは一般人の普通の恋愛じゃないですか。
「じゃあ手を繋ごうか」
「はい……って、手、手ですか!」
「う、うん、そうだけど」
は、はわわわわわわわ!
「な、なんでそんなに同様してるのさ」
「だ、だ、だってぇ」
だってぇってなんだろう、いつもと心が違う原因なんてわからない。
「いつもと違うニャルも新鮮で面白いね」
そういってメイジさんは強引に私の右手を握ってきた。
「……!……!」
言葉にならない声を出している。
そしてメイジさんは流れるように手を絡ませてくる。
「……な、慣れてますね」
「その質問には答えにくいな……」
「……まぁ良いです。せめて今日だけは私一人だけのメイジさんになってもらいますからね」
「それは男として補償する」
「なら今日のデートは他の女の話は一切禁止でお願いしますね」
なんかメイジさんと普通に会話してると少しは顔の火照りが治まってきた気がする。
「えっ……まぁそのくらいなら」
「あと他の女と行ったところは禁止で?」
「……ちょっと独占欲強くありませんか?」
「今日だけですから!」
「……まぁ、分かった」
「やったぁ!」
うへへへへへ、今日だけ私のメイジさんですうへへへへへへ!
「よだれ、よだれ出てるよ!」
「あ、あぁすみません。この状況45回目のデートと酷似してましてうへへへ」
「……妄想の?」
「もちろんでっす!」
「そ、それならよかったな」
「はい!まだデート始まって間もないですけど最高の気分です!ふぅー!」
ニャルは手をブンブンと振り回す。
「おわぁぁぁ!手が!」
「およよよよよよよ!」
そんなこんなでニャルとメイジのドキドキデートが開始したのだった。
にじさんじオーバーウォッチコラボ見ながらだと全然捗らなかった……。