~アルケーの婚約大作戦!part45 ~
「だって……どうすればいいかわからないんですもん」
ニャルはそう呟いた後にメイジを見つめる。その顔は今にも泣きそうで体が少し震えている。
「メイジさんの事が好きなのはこれでもかと言うほどアピールしました。多分誰よりもぐいぐい押せ押せで行ってると思います」
それは俺自身身に染みるほどわかっている。確かにアメリアとかソウちゃんとかもめっちゃくちゃ押せ押せで来るが、ニャルは次元を超えて押してくる。最近はガチド変態peopleと協力してせめて来たこともあったし。
「メイジさんはどういうふうに攻められたらうれしいんですか?私はどうやったらメイジさんに振り向いてもらえるのでしょうか?」
「振り向いてもらえるって……」
「私はメイジさんが好きです、大好きです。他の女の人がいるのなんて関係ありません。不誠実とかそんなことも思いません。私はメイジさんの一番目指しています」
こ、志が高いな。
「ニャル……」
正直、こんなニャルは見ていて辛い。いや、いつものニャルも見ていて辛い所もあるのだが、今回のは質が違う。
「ニャル、デートしようか」
「……ほへ?」
「デート」
ニャルはこちらを見てぽかんとしている。
「すみません、私の耳がその単語を受け付けなかったみたいで。もう一回お願いできますか?」
「俺とデートしてください」
「………???……えぇ?」
ニャルはいまだに『デート』を受け入れることが出来ないのか、ぽけーっとしている。
「ソウちゃん、時間間隔とか伸ばせる?対象はニャルと俺だけで」
圧倒的無茶ぶりだけどソウちゃんなら一瞬で叶えてくれる。もうこんなのおかしすぎるけど今は頼らせてもらおう。
「はいマスター、今ですか?」
「今でお願い」
「はい、今日今から一日を五秒で換算しますね、ゆっくりお楽しみください!」
「え?え?え?」
はい、ボッシュートになります。
「ほら、突発だから全く計画とか立ててないけど顔洗って」
「え、あ、はい」
「服も着替えて一回日本行こうか」
「……え、えぇーーーーーーっ!?」
次回着物デート。 そしてこの世界線ではコロナはソウちゃんが殺したので大丈夫です。