~アルケーの婚約大作戦!part40 ~
sideアマテラス
「…………うん」
そうして、メイジとの会話が終わる。アマテラスは、しばらくして静かに吐く。
「……うれしいなぁ」
何時からここまで堕ちてしてまったのだろう。以前の私が見たら情けないだの、ただ顔がいいだけの男に、とか言うだろうか。
「でも、幸せなのよね、これが」
悪い気は全くしない、勿論いい気分だ、少し話しただけなのに。
「あの旅館の事も分かってくれたみたいだし」
「おぅおぅ、立派に乙女しとるのぅ」
「な、なによ!」
隣から聞こえる声、すっかり忘れてしまっていた。
「アルケー」
「のう、お主妾の事を忘れてメイジと話しとったのか?」
「……うっ」
「うらやましいのぅ、妾が企画したのに、妾がメイジといちゃこらする時間が全くないじゃないかのう?」
「そ、それについてはちゃんと予定してるわよ……」
「ほぅ?して、時間はどのくらいかの?」
「最低でも、一日よ」
「ほう、二人きりかの?」
「そのつもりよ」
そういうとアルケーは両手を上げ、伸びをする。
「それを聞いて安心したのぅ、ならもうひと踏ん張り頑張るかの」
「……そうね、もうそろそろ今日の仕事も終わりそうだしね」
「メイジの為に、がんばるかの」
「……うん」
仕事を再開したアマテラスの横顔を、アルケーは横目に見る。
(昔と変わって、生き生きしとるのう)
アルケーも、浮かんでいるウィンドウに向かって仕事を再開した。
………
……
…
side アメリア
パタ……パタ……。
スリッパを掃き、大浴場を後にする。履き慣れないスリッパを履き、見慣れない館内を歩く。何時もと違う光景に少し心が躍る。そして、これから起こるであろう事にドキドキもする。
「はぁ……ドキドキします。メイジさん」
二人きり、二人きりです、二人きりなんですよ!うれしい!やった!って感じですね!
アメリアはパタパタと歩く速度をはやめ、特別室へと歩く。
胸の高鳴りを、感じながら。
………
……
…
side メイジ
「ふぅ」
魔法で髪の毛を乾かし、身なりを整える。
「なんだか、緊張するな」
何回も二人きりになっている筈なのに、今日は様子が違う。恰好も違うし、時間が違う。
時と場合が違うとここまで緊張するものなのか。
「……」
「行くか」
彼女と同じように、パタパタと足音を立て、歩みを進める。
なんだかキメてるみたいですけどこれからするのはR-18的な事なんだよなぁ。