閑話~学校パロディ12~
『◯ine登録しましょう。でもこのことは他の人には秘密にしてもらっていいですか?ばれたら後が怖いので』
このようなSMSを貰ったアメリアは家で枕を抱えて悶えに悶えている。現在アメリアのスマホには名人のアカウントが存在している。
「ひゃ、ひゃわぁ!どうしましょう!」
因みにメイジから登録されたときに『よろしく』という意味のスタンプが送られており、それに対して何とかアメリアも返信をしたのだが。
「これからどういう事をお話すればいいんでしょう」
今このスマホはクラスの中で唯一、名人さんと◯ineでつながっているスマホ。正にプレミアスマホ。今名人と唯一繋がっている今のうちにたくさんお話しなければいけない……のですけど。
「全くもってどう話しかけたらいいか分かりません!」
この日の放課後はこの事で頭が一杯になり、結局メイジにメッセージを飛ばすことはできなかった。
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side有村名人
いつも通り登校して、教室の自分の席に荷物を置くと、アメリアさんの席に女子たちが集まっている。
「……んとはどうなの?」
「……すから……なことありませんって」
……なんとなーく嫌な予感がする。
「あ、有村さん!」
アメリアさんの周りにいた女子の一人がこちらに気づいたようで声をかけてくる。そしてそのまま流れるようにその近くにいた女子たちもこちらを見る。そしてそのまま見覚えのある女子の壁が形成……。
「ちょっとー!名人さんの前に集まると迷惑になるじゃないですかー!」
「だってそれはアメリアさんが嘘をつくからじゃない」
「う、嘘なんてちゅいてるはずないじゃないですか!」
「アメリアさん分かりやすいからね~」
「うっ」
アメリアさん……隠しきれなかったのかな?そんな予感がする。
「それで、有村さん。アメリアさんと◯ineを好感したという噂を聞いたのですが、それは本当ですか?」
「う、噂になってるの?」
「はい、噂を聞いたアルケーさんはそのショックからなのか本日は寝込んでしまいましたし」
……お見舞いにでも言った方がいいのか?
「話が逸れてしまいましたが交換したのですか?していないのですか?」
「……」
名人、無言で立ち上がる。
そして女子の壁を無理やり抜け出し、教室から脱出する。
「逃げたわ!」
「名人様に触れていただけました!」
「匂いが残っている気がします!」
女子達も名人の後を追いかける。
走る走る名人。
階段を駆け下り、先生に注意されるもののその後ろを走って追いかけてくる女子達に先生も驚愕。なりふり構わず先生を振り切り構内を疾走。
「ハァ……ハァ……」
しかし体力も無限ではない。超人無敵メイジ君ではないのだ。
体力も限界になってきた名人は後ろを振り返ると。
「名人様を捕まえてそのまま……フフフ」
「名人様にご奉仕してメイドとして認めて頂きます」
「うーそーはーつーいーてーなーいーでーすー!」
ひいぃぃぃ!
名人、曲がり角の直ぐの部屋に滑り込む。
「き、消えました!」
「そんな!瞬間移動するなんて!?」
「でも名人様ならしてもおかしくありません」
「なるほど、何か分かりませんが説得力があります。手分けして探しましょう」
……なぜかここには入らず、足跡は遠ざかって行った。
「……アンタ、いきなり入ってきて……て」
名人が入ったのは和室。放課後は茶道部が使用しているらしい場所気がする。
「あ、あんたもしかして有村名人?」
そう言ってメイジが振り返ると、正座をした金髪の女子生徒がこちらを見ていた。
天照さん登場です、出会いたてだからツンツン要素多そう。