~アルケーの婚約大作戦!part28 ~
「さて、皆さん着替えは終わりましたかね?皆さん良くお似合いですよ。そのメイド服は皆さんの体にフィットしてどんなに激しく動いても着崩れすることは無く、そしてメイジ様以外に下着をお見せする事を防ぎます、中継にも映りません、ご安心ください」
会場には多種多様なメイド姿の女性たちがロゼの話を静かに聞く。この中にはメイドの経験がある者もいるが、ほとんどの女性達がメイドの仕事など経験したことのない素人だ。この中の多くの女性達がこれからのメイドとしての振る舞いに不安を覚えるだろう。
「これからメイドとしての基本情報を皆様の脳にインプットします。そちらを参考にしていただいて、今回の企画にお役立て下さい」
その時、参加者の頭に軽い衝撃が走る。ピリリと痺れ、頭を押さえる参加者達。そして参加者達の頭にはメイジのメイドとしての知識、一般的なメイドの知識をインプットされた。
「皆様、チームは確認されたと思います。一度そのチームに分かれ、作戦会議などをお願いいたします」
ロゼのその言葉の後、会場でメイド達は各々のチームに分かれ、話を始めているようだ。
………
……
…
side メイジ
さっきアメリアが発表した企画はメイド服でご奉仕?とか言ってたよね。このご奉仕っていうのがこの会場の女性から行われるのが恐怖になるかもしれない。主にあの変態な聖女とか。
『多分今回はそこまでひどい(メイジ視点)ことにはならないと思いますよ?』
と、アメリアの言葉。
「えーでもご奉仕だよ?」
『この企画はメイドとしての点数で競うものみたいです。そしてこの会場にいるすべての参加者がメイドになります。更にそのご主人様はメイジさんです。今回メイジさんが嫌だなと思った事をロゼさんがカウントするみたいですよ?』
「点数を取るためには俺を嫌な気持ちにしないっていう事か」
それなら、皆控え目にしてくれるかもしれない。一般的なメイド参加者はそうだが。
「ニャルとか聖女さんとかが懸念する所なんだけど」
『それについては完全な対策が無いのが困ったところですけど……そうですね。ニャルさんに対してはギャグ的な空気しないというのはどうでしょう。真面目な空気でメイジさんがニャルさんを押しに押していけば調子が狂って退散するかもしれません』
確かにニャルはおちゃらけた時間に待ってました!とでも言うように颯爽と登場する。真面目な空気でニャルに迫ってみたらどうなるかはわからないな。これは試してみる価値があるかもしれない。
『セシリーに関しては……ま、満足させる事でしょうか……?もう諦めて幾らか彼女の要求を我慢できる程度に済ませ、ある程度で妥協させる事でしょうか?』
こういう事に関して言うと強大な力を持つニャルより強大な変態力を持つセシリーの方が厄介だな……。
『最悪のパターンは二人が同時に出現した場合ですね』
それはただの地獄絵図だろう。必ずギャグな空気になり、二人の変人力が同調し、抵抗する間もなく大惨事になる事間違いないだろう。
「それはこれから全力で止めなければいけない事だ」
『はい、この企画中も全力で止めさせていただきます』
この後、同じメイドチームに所属された二人に絶望するメイジだった。