~アルケーの婚約大作戦!part20 ~
SAN値チェックものの感触を受け続けた、男メイジ。全能神の手厚い(?)介護を受け、気絶で逃げることを許されなかった。
そして気絶に逃げられなかったメイジ、イスでうなだれる。
「タスケテ……タスケテ……」
「うーん、メイジさん私の真の姿を見てもこうはならなかったのに、女の子の猛攻には弱いんですね!それって私一人にならイチャイチャされても大丈夫って事ですよね!?んもう!むっちゅー!」
……最近物凄く出てくるニャル様の攻撃。
「へぇっ!?」
クリティカルヒット。ニャル様の唇は気絶寸前のメイジの唇を捉える。
(な、なんでこんなギャグパートみたいな空気でキスできるんですか~!!?周りに人もいますし、まだアメリアがへばりついていますし。初めてはもっとロマンチックな場所でと思ってたんですが……。まぁいいでしょう。というか近い!?てかゼロ距離!?)
冷静な表情でキスしていたニャル様だったのだが、事実に気づきボッと顔を赤くする。
(め、メイジさんからの抵抗もないですしアメリアもニコニコしながら見てますし。これは舌まで入れて良いってことで、ですか!?い、いや、でも)
照れて何時もの黒い考えがまとまらくなる。
(き、キスってこんなに脳が蕩ける行為だったんですね……幸せ過ぎませんか?人間は這い寄る混沌の私を差し置いてこんな行為をしてたんですね?信者にこういう事している人に罰でも与えましょうかね……?い、いや、こんな事してる間にもゴフェ!?)
メイジの唇を奪っていたニャルラトホテプに鉄拳制裁が襲い掛かる。
「ぐふーッ!」
「あ、あ、あんたね!?寝込みを襲って何やってんのよこのド腐れ邪神!」
どうやら鉄拳制裁の主はアマテラス。赤い顔をしてこぶしを握っている。
「わ、わたしだってキスできるとは思ってなかったです!」
「そういう問題じゃないのよ!なんで、あ、あなたがキスしてるのよ!」
「そりゃあ私がメイジさん大好きだからに決まってるからじゃないですか!」
「こ、恋人でも!婚約者でもないのに!?」
「もぅ~、面倒くさい子ですね~。あなたもすればいいじゃないですか~」
「い、言われなくてもやるわよ!」
そうして、メイジの方へ特攻するアマテラスだった。
「良かったですね、ニャルさん」
「え?いや…その」
「ニャルさんならちゅーなんて何回でもできますって」
「そ、そうなんですかね?」
「次は舌入れましょう!」
「し、し、舌~!?」
その後、アマテラスにキスされながら気絶するかの狭間を漂っているメイジと、元凶なのに顔を赤らめ妄想に耽っているニャル様の姿が放映されたという。