~アルケーの婚約大作戦!part19 ~
side メイジ
「……ん?」
なんだか会場の雰囲気がさっきと違う……というかなんか俺に対する目線が違う……?なーんか生暖かいような、さっきまでの猛獣のような獰猛な目線は少なくなったようだ。
「メーイージーさぁーーーーーーん!」
「お、おわっ!?」
背後から、柔らかい感触と共にアメリアの声が響く。
「離れませんからねー!もう絶対にーーー!!!」
「ど、どうしたんだアメリア!?酒でも飲んだのか!?」
「うわぁぁぁぁぁん!!」
な、なんでこんなにアメリアは泣いているんだ!?それにこの様子を見て周りはニヤニヤしながら見てるだけなんだ!?
そのまま、五分ほどアメリアをなだめる事になった。
しばらくして、アメリアは泣き止んだが、俺の背中に引っ付いて離れない、蝉のようだ。
「は、はい。ご迷惑をお掛けしました。で、では再会しましょう」
「……え?このまま?」
蝉のように引っ付かれたままで?
「このままです」
「再開するってことは中継も再開するんだよね?」
「はい。何か問題がありますか?」
「恥ずかしくないの?」
「恥ずかしさより幸せが勝ってるので問題なしです」
「問題大有りなんだけど!?」
会話している最中にも、アメリアは四肢に力を強める。
「はーい再会しまーす!」
「ちょ、ニャル!」
制止する間もなく、会場に中継画面が表示される。
『はーい、メイジさんの背中からこんにちは。再開いたします』
ぎゃああああ!こんな格好が世界中に!?母さんと父さんにも!?
「メイジさん、後で私もそれやっていいですか!というか前が開いていますよね!とう!」
後ろにも銀(髪)、前にも銀(髪)。重くは無いんだけど暑い。
「むっはー!メイジさんスメルたまらねぇです!」
「む、私も負けてられないですね。すんすん」
アメリアまで暴走してる!?
「そ、そろそろやめておいた方がいいんじゃないかしら?」
あ、アマテラス……流石創造神、もっと止めてくれ!
「次私だからね」
「妾もその次にするのじゃ」
『う~~ん、なら次の企画はメイジさんにつかまって癒される企画にしましょう~』
ワー、俺の前に大量の行列ガー。
「ほら、全員分の時間はあるから焦らないようにするのよ!」
休憩時間があったのはこういうワケだったのか……!?
本日二回目、メイジ、散る。