~聖女と書いてへんたいと読む~
ストックが切れたぁぁぁぁぁぁ
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side スカム=アルベルド
私は誇りある人族の宮廷魔道士である。
私は侯爵家であり、人族の魔法の第1人者として、研究を続けていた。
陛下は生まれた時から足に障害を患っていた。
私はこれをチャンスだと考え、【パーフェクトヒール】の研究を始めた。
何よりこれは地位のため、アルベルド侯爵家の為である。
アルベルド侯爵家は代々宮廷魔道士を出している名門魔道家である。
その地位を高め、陛下の信頼を高めるのが今回の目的だ。
そして我が息子に聖女を紹介する為である。
私が【パーフェクトヒール】を完成させれば、騎士団長の信頼を獲得できる。
そして聖女を息子の嫁にするのだ!
聖女を身内にしたアルベルド侯爵家は更に地位を上げることになる!
·········
······
···
アステラを救った『英雄』と言われている小僧がやって来た。
なんでも【パーフェクトヒール】を使えると聞いた。
これはまずい、もし本当に【パーフェクトヒール】を使えるのだとすれば、私が今研究している、【パーフェクトヒール】はどうなるのだ!
···あの小僧に『魔呪符』を掛ければいいのだ。
『魔呪符』は魔道士封じと呼ばれており、対象に呪符を貼り、魔道士にあるとされる魔力の核を封印する物である。
これを使えば小僧は魔法に関して無力!
魔王を倒したのは強力な強化魔法を使ったのだろう、出なければあのような傷はおかしいでは無いか。
あの小僧を封じ、アルベルド侯爵家は聖女を手に入れるのだ!
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sideメイジ
先程から俺へのあーんが止む様子が無い。
4人が止むことなく料理を持ってくるのだ。
俺はただ座っているだけ、女神達が料理を持ってきてくれるのだ。
なんか女神達に奉仕されているみたいだな。
女神メイド達に奉仕されて10分、1人の女性がこちらに向かってきた。
その女性は防音結界内に入ってきた。
「ご歓談中失礼します、メイジ様、陛下がお呼びです。女神様達、少々メイジ様をお貸し出来ますでしょうか?」
その女性は先日、女神様降臨の義をしていた『聖女』と呼ばれる女性だった。
「···イチャイチャしてたのに···」
「でも聖女ちゃんの頼みなら断れ無いわねぇ~」
女神メイド達は俺を解放してくれた。
俺は聖女に連れられる。
「ご紹介が遅れました、私人族で『聖女』をしています、セシリー=アルメリアと申します、セシリーとお呼び下さい」
スカートの裾を上げて上品なお辞儀を見せてくれた。
「メイジ=アリムラです、一応アステラを救った『英雄』って事になっています。メイジと呼んでください」
「ではメイジさん、お聞きしたいことがあります」
聖女の聞きたいことか、俺は何かやらかしたんじゃないだろうか。
心当たりがありすぎる。
「···どうやったらあそこまで女神様と仲良くなれるのでしょう!?」
!?大丈夫かこの聖女。
「えっと···皆優しいから失礼なことをしなければ仲良くなれると思うよ?少なくとも俺はそうだったし」
(但し仲良くなるの質が違ったけどな)
「参考になります!私は聖女としてあなたの事を尊敬致します!私を弟子にしてください!」
セシリーが頭を下げる。
···どうしてその判断に至ったんだ?
少し考察して見る。
俺パーティ会場入る。
↓
グリモカリバーに驚かれる。
↓
聖女が女神を降臨させる。
↓
俺とアメリア、アルケーが恋人と発覚。
↓
《記憶処理済み》
↓
俺がウラヌス、マナ、マアト、アフラクとも仲がいいと発覚。
↓
現在···
うん、全然分からない、俺は一体何の師匠なんだろうか。
少なくともこれまで俺の行動は良いものとは言えないだろうし。
「えっーーと、俺は何の師匠になるの?」
「私が会長の『女神愛好会』の会長です!」
「その女神愛好会について詳しく」
「女神愛好会はその名の通り女神様を信仰する為の会です。その規模は全世界で16万人以上居ると言われています。同士は日々増え続けているので正確な数字は分かりませんが。現在No.166908までの同士が所属するのを先日確認いたしました。私は16代目の会長で会長にだけ与えられるNo.1を授かっています。師匠は他の誰よりも女神様と仲がいいので、終身名誉会長になられます」
···規模が大きい、会員が16万人って多すぎ!
この会場にも何人か紛れ込んでそうで怖いな。
「···その会ってアメリアとかアルケーに危害は無いよね?···あったら俺がその会潰すけど」
これは正論である、昨日の勇者やナンパ達のような行動を取るのならば、俺は可愛い恋人達のために『神大魔法』を使ってでも潰す。これは決定事項だ。
「!?いえ!そのような事はありません!我が女神愛好会は厳正な審査の元同士を向かい入れて居ます、下賎な者はまず女神愛好会に所属してはおりません!」
「···そうか、なら良かった。それで俺はその会の終身名誉会長になって何をすれば良いの?」
「私達に女神様達の素晴らしさを語って下さい!師匠は女神様に1番近いお方、女神様の事を誰よりも知っていますでしょう?」
まぁそれぐらいなら良いかな。
俺が女神達の魅力を語る?余裕っすわ、今すぐにでも語れる。
「もし、お気に召さないのであれば···私の身体を好きにしても良いですよ?」
ぶっ!?何を言ってるんだ?そんなに俺に終身名誉会長になって欲しいか···?
「分かったから!身体はいいから!その終身名誉会長とやらなるよ!」
「ありがとうございます!これからよろしくお願い致します!終身名誉会長!···あ、あと身体は何時でも好きにしていいですよ?私はもう貴方の下僕のようなものですから」
この娘···大丈夫か?
心なしか目がハートになっているような気がする、怖い。
·········
······
···
陛下のいるテーブルに案内された俺は陛下に跪く。
一応防音結界を貼っておこう。
「お呼びでしょうか?」
「うん、頭を上げて。···君はあの女神様達とも仲がいいの?」
「仲がいいというのはどの程度なのかは存じませんが、先程恋人になりました。女神様たちは皆指輪をしていますね?」
その場にいた誰もが硬直する。
騎士団長や陛下の執事、近衛兵が固まっていた。
「君1人が女神様全員と恋人···?規格外過ぎてどう反応すればいいのか分からないよ···君って本当に人?」
「それに関しましては···人でもあります」
「何か嫌な予感がするんだけど···人でもありますってどういう意味?君、何かのハーフなの?」
「私は『亜神』です、現在では人間より、神の方が強い様ですが」
「「「へ?」」」
その答えにある者は驚愕し、ある者は白目を向き、ある者は顔を高揚させ目にハートを持った。
「で、亜神様とお呼びすればいいのでしょうか?」
陛下の態度が急変する、俺って偉かったのか?
「いえ、これまで通りでお願いします、出来ればこのことは内密に···その為に防音結界を張りました。私は先日まで只の平民なのですよ?私が偉いと思っているのなら今まで通りにしてください」
「は···うむ、分かった、従おう」
「メイジ殿は人を超越していたのか···」
さっきから身体を悶えさせながら、自分の腕で自分を抱いている聖女さん?
あなた大丈夫ですか?
「聖女さん?大丈夫ですか?」
「は、···い。大丈夫です···」
顔を赤くしながらこちらを見た。
その瞳の中には先程よりハッキリとしていたピンクのハートが存在していた。
口からは少しよだれも出ている。
···分かった、この娘変態だ。
多分神様を狂信している変態だ。
こうして俺は厄介な美女に目をつけられた。