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女神の恋人  作者: おうどん(きしめん)
第9章【転移者】
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~アルケーの婚約大作戦!part18 ~

メイジに多大な被害を及ぼしながらも、結果発表を終えた。


『さて、先程私が休憩は無いと言いましたが、流石に少しメイジさんに休憩をあげます』

「あ……ありがたい……!」


パーティ会場から、メイジの姿が消える。どこかに転移したようだ。


『はい、メイジさんがいなくなりましたね?少し、メイジさん抜きでお話したい事があります。それに加えて、一時的に放送を中断したいと思います』


パーティ会場からウィンドウ画面が消え、また地球とギールの中継も中断される。


『はい、ご協力ありがとうございます。私の独断で中断してしまって申し訳ありません。アマテラス様とアルケー様もこちらにお越しいただけますか?』


急な流れの変更に会場にいる参加者ががやがやと騒がしくなる。


「なによ、どうしたのよアメリア」

「何かイレギュラーでもあったのかの?」


会場の壇上に、アマテラスとアルケーが出現する。


『はい、皆さん一旦お話を聞いてもらえますか?』


このパーティ始まって以来の真面目なトーンのアメリアの声に驚いたのか、がやがやと騒がしかった会場も静まった。


『私から話したい事があります』

「それは、パーティを中断するほど重要な事なのね?」

『はい』

「……分かったのじゃ。アメリアそれについて話してくれ」

『分かりました』


パーティ会場はシンと静まったまま。緊迫した空気が流れている。


『これは私個人の話なのですが。……ごめんなさい、私はどこかで、私が世界で一番メイジさんを好きなんだ。と心の中で思っていました。しかし、メイジさんを好きな人が増えに増えて、思ったことがありました』


『私は自分で思った以上に独占欲があるみたいです。だから、メイジさんと夫婦になれてとてもうれしかったです』


『しかし、とても素敵なメイジさんはとてもたくさんの方に好かれています。その事をとてもうれしい事と思う気持ちもあります』


『メイジさんを独占したいという気持ちと、皆で仲良くしたいという気持ちがぐるぐる私の中でありました』


『その時、アルケー様がこのパーティを計画して、私は生意気にもこのような事を思ってしまいました』


『"私が皆さんを見定めよう"』


『しかし、パーティを進めていくうちに皆さんがどれだけメイジさんを真剣に好きという事がひしひしと伝わってきました』


『……アルケー様、皆さん。すみません。皆さんがこの場を使ってメイジさんとの距離を縮めようと努力していたのに対して、このような不相応な事を考えてしまって』


「本当にすみません」


アメリアは会場の壇上にて深く頭を下げる。


「……お話は以上です」


会場はシンと静まったまま。


どのくらい時間がかかっただろうか、会場の重い空気を切り裂くように声を出した者がいた。


「アメリア」


アメリアの直属の上司、それでいてこのパーティの企画者。


アルケーだ。


「私の権限で事に対しての処分を言おう」

「……はい」


アルケーの声はいつになく真剣だ。









「こんな、大勢の前で惚気を言われるとはの……呆れた奴じゃ」






「はい?」





「お主が勝手に思っていたことに罪悪感を感じていたのかもしれぬが、そんなの誰もが思っている事じゃ」

「……」


「妾にだってメイジと二人きりならとても幸せじゃ。そういう気持ちがある」


「アメリア、お主は深く考えすぎじゃ。この会場にはお主よりもっとどす黒い感情をもっとる奴がおるぞ?」

「……」


「具体的に言うとお主とは別の銀髪の神じゃがな」

「……そ、そこで私ですか!!?」


いきなり話を振られたニャルは驚き、飛び上がる。


「よし、という事でお主の惚気話についてはこれで終わりじゃ。お主は普段からよくやっておる」

「……はい」


アメリア頬を涙が伝う。


「よし!これに関しては妾が不問とする!文句は言わせん!」

「……っ……は……い」


「この会場でアメリアに対して罰を与えたい奴はおるか!?」


アルケーが声を張り上げる。


会場は静まったまま。


「よし、これについては話は終わりじゃ!いいな!」

「……は…い」


アルケーのその言葉の後に、どこから始まったか分からないが、拍手が響き渡る。


アメリアは只々涙を流すだけだった。


「……ありがとうございます!」


アメリアは腫れた目の顔で、精一杯の笑顔を見せた。

シリアスって難しい……。最終回みたいになってしまった。

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