~アルケーの婚約大作戦!part12~
こちらはギールのメイジ。外では大々的ににメイジのプロフィールが公開されている事はつゆ知らず。のほほんとした時が流れていた。
因みに、何故メイジに外の惨状が知られていないかというと、ソウちゃんの力である。恋人達が、逆プロポーズを申し込むとメイジに知られるわけにはいかなかった。
「マジで暇だな」
と、そんな独り言を呟いてしまうほど。
「今から暇じゃなくしてあげますから」
聞きなれた声と共にアメリアが姿を表す。そしてその姿は普段見たことのないドレス衣装だった。
「アメリア……」
メイジはの無意識にアメリアに近づく。
「どうですかメイジさん?」
「今までで最高に綺麗だ」
アメリアの頬がポッと赤くなる。
「さて、その言葉は嬉しいですが、今から私と神界に行きましょう」
「あぁ、やっぱり神界だったのか」
「はい。今日は大変な一日になりますから覚悟してくださいね?」
「……え?そんなに大変なのか?」
「はい」
うえぇ、そんなの全く想像していなかったぞ。アルケーやアメリア達からも全く説明が無かったからな。
「俺もスーツでも着た方がよさそうだな」
「はい、なので用意しています」
すると、俺の服が普段着からスーツに変わる。スーツはどうにも慣れない。
「では、行きましょうか」
「ちょっと待ってくれ」
ここで、このままアメリアと一緒に向かってしまっては後悔する気がした。何故だか分からないけれど。
アメリアはメイジを聞き、足を止める。実際にはメイジの運や直感系のスキルが働いたのだが。
今日、午前中一人きりで過ごしてみて色々考えた結果。
「アメリア、伝えたいことがある」
「……え?」
side アメリア
メイジさんが何やら真剣そうな顔をしている。しかし、ここで期待する私ではありません。これまで何回も期待させてくる場面がありましたが全てドボン。多分デートしようとかそういう嬉しい誘いでしょうね!ありがとうございます!
「俺はギールに来る前にアメリアに出会った」
……ん?
「それで突然アメリアに告白されて恋人になった訳だけど」
……んん?
「正直アメリアに一目ぼれでした。今でも大好きです」
……こ、これは?
「急な事だから、漫画みたいな粋な言葉も何も無いけれど」
……。
アメリアは無意識に目に涙を浮かべる。
「アメリアと生涯離れたくありません。結婚して下さい」
顔が熱い、涙が止まらない。こ、こんなのこらえられる筈がない。
「……はい。私を……メイジさんのお嫁さんにしてくださいーーーーっ!」
泣きはらした顔で、メイジに抱き着くアメリア。それを抱きとめるメイジ。
こうして、アメリアとメイジは一歩先に進んだのである。