~アルケーの婚約大作戦!part10~
side メイジ
最近女性陣のみんながソワソワしている気がする。俺を見ると顔を赤らめて何処かに行ってしまう。明日、アメリアが言ってたアルケー主催のイベントがあるのと何か関係があるのかな?
「なぁ、アメリ……」
「す、すみませんメイジさん!ちょ、ちょっと今は忙しいのでま、また後でーー!」
と、みんながみんなこうして俺が話しかけると恥ずかしがって避けるようにしてしまう。
なんだかちょっと寂しい。
「そういえば、一人でいるのは久しぶりかもしれない」
ギールに来る前はいつも隣に人がいる事は無かったが、こっちに来てからはいつも誰かが隣にいた。今ではソウちゃんも話しかけてくる事はあまり無い。前までは暇になったら嬉しそうに話しかけた来たのに……。
「こんなに一人が寂しいと感じるなんて」
『皆、ちょっと緊張してるんですよマスター』
「ソウちゃん?」
『マスターが寂しがらないように私が話し相手になってあげましょう!』
「流石は全能神様のソウちゃん!」
『えへへ……』
その後、ソウちゃんと他愛が無い話をして幾らか気が紛れた。
「ありがとう、ソウちゃん」
『な、なんの事でしょうか?』
「いや?……その、なんて言ったらいいか……?」
『え、えっと……』
「す、好きだよ?」
『あ、あわわわわぁ!』
そこでソウちゃんとの会話は終了した。今めちゃくちゃ恥ずかしい事を言ったな……。でも、言ったのを後悔はしていない。間違えることの無い、本心なのだから。
そろそろ、俺とお付き合いをしてくれているみんなとの将来を考えて行かないと。
このままズルズルとずっと恋人というのも、俺としてはどうにもピンとこない。このような考えをするのは何回目になるだろう。その度に『結婚』という二文字が頭をよぎる。
決断する時が近づいているかもしれない。
side 全能神
「ま、ましゅたーにす、好きって言われたら……」
顔の火照りが治らない。面と向かって言われた訳でも無いのにこの動揺。全能である私をここまで……全能が聞いて呆れますね。
「こんな事、この世界でマスターだけなんですからね……」
胸を焦がすこの想い。これは冷静になるのに時間が掛かりそうですね……。
結局、力の三割も使って冷静さを取り戻したのだった。