~アルケーの婚約大作戦!part5~
王都の教会では日々の務めとして女神様達に一日三回祈りを捧げる。これは全世界の教会で必須の政務であり、これにより女神様から加護を受けたりすることがある。
王都の聖女であるセシリー=アルメリア。彼女は日々三回の祈りがある中の昼の祈りを捧げていた。
(メイジ様にハジメテを捧げられますように…)
ただ、その祈りはとても不純なものではあるが。因みに、セシリーはこの願いを毎回欠かさず女神様に願っている。いつも通りその不純な願いを願っていると、変態聖女様にとっては至上の御身の声を聴くことになる。
『のうセシリーよ』
セシリーにとって忘れることはないその声。いつか聞いたその声の主は。
「そ、創造神さまぁぁぁぁぁぁ!!?」
セシリーは静かな礼拝堂の中で絶叫した。身体が痙攣し、話すことすらままならない。
『む、落ち着くのじゃ』
セシリーの身体が淡く光ったかと思えば、痙攣していたセシリーの身体は平静を取り戻していく。
「は、はい······そ、創造神様······」
『うむ、さっそくじゃがお主に話しかけた訳を話すぞ』
「は、はい······」
セシリーは創造神直々に話しかけてくるなんてよほど大変な事でもあるのだろう。と覚悟を決めた。創造神が人に話しかけてくるなんて前代未聞なのだ。
『それで、話しかけた理由なんじゃが······』
「はい、災害ですか?魔王ですか?それとも邪神ですか?」
『そ、そのような邪なことではない!』
·········
······かくかくしかじか
···
「な、なるほど!ご結婚ですか!」
『う、うむ······そうなのじゃ。しかしの、まだメイジにこのことを話した訳じゃないのじゃ』
「······プロポーズですか?」
『······!やはり女性からは変かのぅ······』
プロポーズは地球では男性からするのが多いかもしれない。しかしここ異世界ギールでは、女性の人口のほうが多い。女性の方からプロポーズするのも多くはないが全くないわけではなかった。
「いえ、確かに少ないですが変というわけではありません」
『······そうか、ならまず妾達がメイジにプロポーズしてOKをとってから結婚式の準備をしてほしくてのぅ』
創造神様のお言葉を一言一句聞き逃すことのないように!とアルケーの言葉に耳を傾けていたセシリーはその言葉の違和感に気づかないはずがなかった。
「創造神様、お伺いしたい事があるのですが」
『うむ、申してみよ』
「先程『妾達』とおっしゃられたようですが······」
『あぁ、言ってなかったの。今回それに参加するのはメイジと交際している全ての女性達なのじゃ』
「え、えぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
セシリーは倒れた。