~アルケーの婚約大作戦!part4~
ギールに帰ったメイジは、先程からピクリとも動かない腰についている二振りの剣に触れる。
「お、おーい。どうしたんだ?だんまりで」
『あ、終わったのですね!』
『もう、遅いわね』
おろ、急に話し出したぞ。
『あのですね!なんか私達が剣の状態だとなんか皆私達にビビっちゃってですね』
『それで、私達が剣の時に威圧を周りに放たないように練習中なのよ』
二人はそういうと、剣の姿からメイドの姿に変化する。
「ふう、やっぱり抑えるのは疲れるのです」
「ちょっとでも漏らすとすぐにでも顔をこわばらせるのよね。めんどくさいわね」
更に、グリモとエクスは、成長した姿になっている。そして両側から腕を絡ませてくる。
「さぁ!ご主人様!デートに行くのです!」
「……いきましょう」
普段と違う装いの二人のメイドに迫られてはメイジから拒否の言葉が出ることが無い。そのままギールのとあるカフェへ足を運ぶことにした。
カフェに入ると直ぐに店員が姿を表す。
「は、はぁ!メイジ様!いらっしゃいませ!」
名が知れてから店に入るとこうだ。店に入ると十中八九驚かれる。
「三人で」
「はい!此方へどうぞ!」
窓際の日当たりがいい席に案内される。やはり視線が自然とこちらに集まる。
「好きなもの頼んでいいぞ。けど夕飯があるからほどほどにな」
「じゃあMEGAITIGOパフェが食べたいのです!」
「…いいの?」
「ああ、幸い手持ちならあるからね」
「…じゃあ、私も同じパフェほしい」
「分かった」
定員にMEGAITIGOパフェ二つとケーキを頼む。注文を受けた女性店員は頬を上気させていた。そして数分後に背の高いイチゴのパフェが二つ出てくる。それはとても大きく、とても俺には食べきれそうに見えない。その大きさと言ったら一緒に出てきたショートケーキが霞むほどだ。
「ちょ、これって。食べきれるのか?」
「ちょっと高くて何時も手が出せなかったのよねこれ」
二人はおいしそうにそのパフェをおいしそうに頬張る。うげ、見ているだけで胸やけが。俺はこの小さいケーキだけで十分だ。二人はみるみるうちにパフェを平らげている。そして二人は十分ほどするとペロッと平らげてしまった。
「こんな量食べて夕飯食べられるのか?」
「だからこの姿になったのよ」
「大きくなったら一杯食べられるのです!」
「考えたな」
それでもあの量は大人でも食べきれるのかおかしいけどな。
「ご主人様!これから腹ごなしでも魔物退治に行くのです!」
「えぇ…これからか?」
「ご主人様なら一瞬で街の外なのです!」
「うーん、確かに居なかったし。依頼残ってるかもな」
「流石にさぼりすぎたわ。ちょっとカンを取り戻すために付き合ってくれない?ご主人様?」
その後、再度訪れた冒険者ギルドでハスタに驚かれながら溜まった依頼をこなすのだった。