~アルケーの婚約大作戦!part2~
屋敷に帰ってきたメイジは、一通り屋敷の中を見渡す。俺が地球に帰る前と変わらず少し安心する。
「ロゼ、明日の夜ここでみんなを呼んで小さなパーティでもしようと思う」
「了解致しました。このロゼが完璧にパーティの準備を整えて見せましょう!」
ロゼはお辞儀をして去っていった。ロゼの足取りが心なしか軽そうに見えた。
「さて、グリモ、エクス、キョウ、パーティに王女様達を誘いに行くけど来るか?」
「行くのです!」
「行くわ!」
二人のメイドはそう言うと剣の姿になり、メイジの腰に納まる。
「キョウは?」
「行きたいのは山々なんどすが、今日はこれから行かなければいけない所があるんでぇ」
「そうか、明日のパーティはどうするんだ?」
「それについては問題ないどす」
「そうか、良かった」
キョウと別れると、メイジ達三人は王都へと転移する。
いつも通り、王都の門の外に転移すると手続きを済ませて中に入る。城へ続く道を歩いているとやはり視線を感じる。しかし、いつもよりその視線は少なく、また、女性のものが多かった。
メイジはいかに恋人達が見目麗しく、周りの注目を集めるのかを再確認し、歩いていくのだった。
………
……
…
騎士達がわんさかいる城門にたどり着くと、騎士達が一斉にこちらに視線を集める。そしてなにかを話しているようだ。しかし、聴覚が馬鹿みたいに強化されているメイジには耳をすませば丸聞こえだった。
「まじかよ、姫様が言った通りにあいつがきたぜ」
「お、俺Sランク冒険者なんて生で初めて見たぜ…」
「クソ、あいつなんてただイケメンなだけじゃねぇか。見た目はあんまり強くなさそうだな」
「やめとけって、あいつが腰に付けてる二つの剣、一つはあのエクスカリバーらしいぜ」
などなど。俺はすでに城の敷地内に許可なく入っているというのに誰も止めに来ない。なので仕方なくメイジの方から話しかけると、騎士達は明らかに動揺しながらも対応はしてくれた。もうすぐ俺への迎えが来るらしい。
「メイジ様!」
フリフリとしたドレスをきたアイシスが、息を切らしながら走ってきた。
「アイシス!大丈夫か、護衛はどうしたんだ」
「えーっと、あれ、いませんね。まぁいいです。それよりメイジ様!」
「お、おう。なんだ?」
メイジはグイグイ来るアイシスに若干戸惑いを感じながらも、話を聞く。
「メイジ様と会えなくて寂しかったです。もう、連絡も無しにどこにいってたんですか?」
「あーまぁ。故郷に帰ってたんだ」
「むぅ、メイジ様の故郷ですか。私も行ってみたかったです」
メイジに引っ付くアイシス。そんな二人の姿を見ている騎士達はメイジに対して強い嫉妬を感じるのだった。
「次に帰る時には一緒に行くか?」
「いいんですか!?」
「あぁ、でもすんごい所だから腰抜かすなよ?」
「はい!」
そんなこんなでアイシスと立ち話をしていると、城の中から騎士達が姿を現わす。
「姫様!お一人でき…」
見覚えがある騎士達だ。たしかアイリスの護衛達だっけ?ペンスとか言ったな。
「姫様!お離れ下さい!そいつは美しい女性達をこれでもかというほど侍らせ、弄んでいる男です!そのような見境のない男側にいると何をされるかわかったもんじゃありません!」
「ペンス、メイジ様の悪口はおやめなさい。それにメイジ様は確かにお付き合いしている女性達は多いですけれど。こうして私を何日も放ったらかしにしましたけど…………あれ?」
途中でアイリスは首を傾げてしまった。擁護しようとしてくれたみたいだけど…。
「と、とにかく!私はメイジ様と離れるつもりは一生ありません!」
「「「「ガーン!」」」」
ペンスを含め、周囲の周りの騎士達は皆同様に心に深い傷を負った。
「わ、私。すんごい…恥ずかしいことを言ってしまった…のです…ね…」
「…あぁ」
アイリスの顔は真っ赤になり、メイジの胸に顔を埋めるのだった。
紅閻魔ちゃんがでたでちゅん、かわいいでちゅん。