~幸せだ~
ブックマーク60件ありがとうございます。
俺はまた王宮の謁見の間に居た。
のじゃロリと司祭も一緒だ。
昨日のアメリアとアルケーとの関係について聞かれる為だ。
アルケーが『記憶操作』して、アメリアが俺達との関係を公表した所以降が曖昧になるようになっている。
今はアメリアとアルケーや他の女神はここにおらず、一旦神の世界に帰っている。
なんでも、昨日のゴタゴタで精神的に疲れたらしく、昼前位まで、休むらしい。
すみません。
「して、昨日の事について説明を頼む。」
「はい、先日アメリアが申し上げた通り、俺とアメリアとアルケーは恋仲です。知られると厄介な事になるので隠していましたが、アメリアが公表したので、隠す意味がありません。」
「お主は異世界から来た『迷い人』と聞いておるが、それは本当か?」
「はい、その通りです。最近、黒髪のちょっと強いヤツが各地に現れていると思いますが、多分その人は俺と同じ『迷い人』だと思います。」
「みんなお主みたいなバケモノってことかの?」
陛下が顔を青ざめて聞いてきた。
「いや、流石に俺ぐらいに強いやつは居ないらしいです、勇者も俺より弱そうでしたし。」
『ご主人様に勝てる奴なんてこの世界には存在しないのです!』
魔剣グリモカリバーを撫でてやる。
昨日はアクシデントがあって手入れが出来なかったが、今日はこの後、磨いてやるからな。
『やったなのです!』
「女神様との会話は終わった···?」
陛下が話しかけてきた。
「いえ···今話してたのはこいつです。」
俺は魔剣グリモカリバーをコンと叩く。
「その剣···」
「陛下、私が昨日申し上げた魔剣グリモカリバーです。なんでも、メイジ殿がスキルで取り寄せたとの事」
「なるほど、尽く規格外だねキミは、先程魔人族の王からキミに書状が来ていてね、読み上げるよ」
────私は魔人族の王、『ギル=デーモンズ』だ。
お前が魔剣グリモカリバーを持っているのは配下から聞いた。
その後、闇の女神様からお告げを頂いたので、それを伝えておく。
『めんどくさいから、メイジ管理しといて、お礼は膝枕10分でいいよ』、正直仰られていることが分からないが、その剣はお前が使ってくれていい。
その剣もずっと封印されているよりも使われた方が嬉しいだろう。
では今度、魔人族の王宮に招待させてもらう事にする。────
はぁ~めんどくさいな、魔族の王宮とか。
只でさえ人族の王宮でもゴタゴタしているのに。
はぁ~。
その後俺達は宿に戻り、夜会までの自由行動になった。
ちなみに、シューンとの食事は明日の昼ということになった。
今日の昼はアメリアとアルケーとのデートだ。
こんな美人2人とデートなんて童貞だった俺には初めての事だ。
緊張するが男としてリードしなければならない。
しかし、初めてのデートがダブルデートとは難易度が高いな。
料理長に教えて貰った店や舞台にでも訪れることにしよう。
昼過ぎ、俺は一足先に待ち合わせ場所である貴族街の噴水の前に来ていた。
これはアメリアからの要望で、『ごめん待った?』────『いや?今来たとこ。』を再現したいらしい。
貴族街は四種族祭の最中の為、平民も多くいて、賑わっている────が、先程から周囲のざわつきが凄い、それはこちらに迫って来ており、そのざわつきの中心から2人の美少女が顔を出した。
「おお────」
そこには麗しい2人の姿があった。
アメリアとアルケーは女神の服のままでそこに居た。
これは服を着させるともっと可愛いな。
『女神様達はすごいのです。美しいのです!』
激しく同意する。
「すみません今来ました」
「────大丈夫、今来たとこ」
うん、これはいい。
「さっきからナンパが酷くて思うようにここに来れなかったのじゃ~」
「そうですね~、結構めんどくさい人もいましたねぇ」
は?ゆ る さ ん
「今からは俺が守ってやるからな、安心しろ?」
俺がそう言うと、2人は俺の両腕に腕を絡ませてきた。
「絶対ですよ?」
「守るんじゃぞ?」
「あぁ、指1本触れさせない」
俺達は料理長に教えてもらった、服屋へ行くことにした。
服屋に移動している最中もナンパが酷かった。
「そんな弱そうな男より俺のところに来いよ、絶対に満足させてやるぜぇ?」
俺は【殺気(神)】をナンパ野郎だけを対象にして、発動する。
ナンパ野郎は気絶した。
「なんて可憐なお嬢さん達なんだ、是非僕とお茶をしないかい?」
俺は【殺気(神)】をナンパ野郎だけを対象にして、発動する。
ナンパ野郎は気絶した。
「お姉さん達とっても綺麗だねぇ、ちょっとあそこの家でアンケート受けてもらえない?」
俺は【殺気(神)】をナンパ野郎だけを対象にして、発動する。
ナンパ野郎は気絶した。
「うほっ♡いい男ねぇ、私と夜のダンスを踊らない♡」
俺は【殺気(神)】をナンパ野郎だけを対象にして、発動する。
ナンパ野郎は気絶した。
「一目惚れです!その人より僕と付き合って下さい!」
俺は【殺気(神)】を略奪野郎だけを対象にして、発動する。
略奪野郎は気絶した。
·········
······
···
30分後···
やっと服屋の前に着いた俺達は看板を確認する。
『キューティクル☆ファンタジー』
···ここだ、名前に少し問題があるがまぁ大丈夫だろう。
俺達は店に入る。
「あら~いらっしゃい~♡」
中に居たのは、巨漢の男のスカート姿だった。
背筋が寒くなる、身が震える。
これまでで一番の恐怖だ。
「···えっーと、この2人に合う服を見繕って欲しいのですが···」
「あら~♡2人とも美人さんねぇ♡腕がなるわねっ♡ふふっ♡あとで貴方も試着しない?私がサイズを計ってあげるわよ~♡」
「俺のはいいので···2人のをお願いします、予算は···800万アル位までなら大丈夫です」
相場が分からないのでテキトーな額を指定する。
ここは一応貴族街の中なので、800万位あれば大丈夫だろう。
俺はアメリアとアルケーが試着室から出てくるのを待っている。
やはり緊張するな、2人は美人だからちゃんとかわいい服を着たらもっと可愛くなるんじゃないか。
「メイジさん~準備出来ましたよ~!」
アメリアが着終わったようで、試着室から出てきた。
「···」
アメリアは白いワンピースを着ていた。
靴もハイヒールを履いていて、アメリアの髪と合っていてとてもかわいい。
アメリアが出てきただけで店内にいた他の客の目線を一斉に集め、男は共に来ていた女性に怒られたりしていた。
「どうですか?」
「···可愛い」
「えへへっ、ありがとうございますっ!」
あっ、だめだ。
俺はアメリアを抱きしめる。
「ふぇっ!?」
「あっ!その···アメリアが可愛い過ぎて、思わず抱きしめちゃった。」
俺はアメリアをそっと離す。
「···そういうのは帰ってからにしてくださいね?ここではちょっと恥ずかしいので」
アメリアは頬を染め俯きながらそう言った。
『ふええっ!2人はラブラブなのですっ!羨ましいのですっ!』
大丈夫だ、お前は俺の相棒だからな、これから一番俺と一緒にいるのはお前だからな。
『私···剣で良かったのですっ!』
·········
······
···
数分後アルケーの準備が終わったようで試着室から出てくる。
「···」
アルケーはエプロン付きのワンピースを着ている。
それはまるで不〇議の国の〇リスのようだ。
「あ···可愛い···」
「ふむ、妾はこの服にどんな意味があるのか分からないが、メイジが喜んでくれるのなら妾は嬉しいのじゃ」
俺はアルケーを抱きしめる。
「ふふっ、メイジから抱きついて来るとはの、嬉しいのじゃ」
異世界に来てここまで幸せになれるとは思っていなかった。
俺はこの異世界に感謝したい。
そして、アメリアやアルケーの為に魔王を倒そうと誓った。
最近のじゃロリと司祭が空気




